汐首岬

汐首岬について

汐首岬（しおくびみさき）は、北海道の亀田半島最南部に位置する岬であり、函館市の汐首町に属しています。この岬は、周囲に美しい海岸段丘が広がり、晴れた日には西側に函館山、東側には恵山といった素晴らしい景観を楽しむことができます。また、恵山道立自然公園の一部に当たるため、自然を満喫する場所としても知られています。汐首という地名の由来は、アイヌ語の「シリ・ポク」（山・下の意）に遡ります。

地理的特徴

汐首岬は本州に最も近い岬の一つで、対岸の大間崎までの距離は約17.5キロメートルです。このため、晴れた日には対岸の大間町の特徴的な街並みを遠くに見ることができます。岬の沖合では、対馬海流から分かれた津軽暖流が流れ、親潮（千島海流）と衝突し合うため、特に「中ノ汐」と呼ばれる海峡の中央部では複雑な潮流が発生します。これに伴い、海上では気象的にも変化が激しくなることがあります。1820年代には、海難に対する備えとして、松前奉行が岬に烽火台を設けたことでも知られています。

汐首岬南小島

岬の近くには汐首岬南小島が位置し、これは2014年に海洋管理のための基本方針に基づいて日本の領海の基点として認識された無人島でした。しかし、2018年には対岸の護岸工事により、島が消失した可能性があるとされています。2021年の時点では政府が島の存在を確認できず、2023年には内閣府の調査によってこの小島は完全に本土の護岸の一部となったことが報告され、「国境離島」のリストから除外される結果となりました。

漁業と自然環境

汐首岬と矢越岬の間にある津軽海峡は、特にイカ漁の豊かな漁場として知られています。地元の漁業者をはじめ、北陸地方からの入稼ぎ漁民もこの地域で漁を行っています。潮流が複雑であるため、漁業にはさまざまな技術が必要とされますが、その分豊富な海の幸が楽しめるエリアでもあります。

施設とアクセス

汐首岬には、未成線である戸井線のコンクリート造りのアーチ橋「汐首岬第1陸橋」が今も残っています。この戸井線は五稜郭駅から分岐し、戸井の津軽要塞に至る計画がありました。また、同じく岬の頂上には汐首岬灯台があり、航海の安全を見守っています。岬には極超短波無線の中継所も設置されています。アクセスは国道278号を利用し、函館バスの汐首灯台停留所から徒歩すぐの場所に位置しています。

周辺地域の魅力

汐首岬の周辺には、白神岬や恵山岬といった他の観光名所もあります。津軽海峡大橋については、大間崎との間をつなぐ構想があり、かつては青函トンネルの東ルートとして戸井〜大間を結ぶ計画も検討されましたが、最終的には西ルートが採用されました。全体を通して、汐首岬は自然と歴史、文化が融合した魅力的な観光地と言えるでしょう。

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