江井ヶ嶋酒造

江井ヶ嶋酒造株式会社について

江井ヶ嶋酒造株式会社（えいがしましゅぞう）は、日本の酒類メーカーとして兵庫県明石市大久保町に本社を構えています。特に清酒「神鷹」の醸造元として名高く、さらにボトルのデザインや高品質を誇るシングルモルトウイスキー「あかし」やブレンデッドウイスキー「ホワイトオークウィスキー」、さらには「シャルマンブランデー」や「シャルマンワイン」といった洋酒も製造しています。

酒造の歴史

明石は播磨平野に位置しており、良質な米と水を得られる地です。この地域では江戸時代初期から酒造りが盛んであり、特に灘五郷の影響を受けた西部地域での生産が盛んでした。その中で、卜部家の5代目である卜部八兵衛の弟である卜部兵吉が、酒造業を始め、独立した事業を形成しました。

当時の日本では模造品が多く出回っており、日本酒においても有名銘柄のラベルだけを使った製品が数多く存在しました。江井ヶ嶋酒造はこうした模造品の流通を防ぐために、日本酒用の一升瓶製造工場を設立し、真に高品質な日本酒を提供するための基盤を築きました。これにより、当社は模造品との戦いに先駆けて、日本酒市場に独自のブランドを持つまでに成長を遂げたのです。

製品と酒造り

江井ヶ嶋酒造は、創業以来「日本酒メーカーは、日本酒のみをつくるにあらず」という理念を持ち続け、蒸留工場を整備してウイスキーやブランデー、ワインの製造にも力を入れています。特に日本国内では珍しいことに、七つの木造蔵を同じ敷地で運営しており、それぞれが異なる役割を果たしています。現在もそれぞれの蔵が生き続け、酒造りの現場として機能しています。

会社の沿革

江井ヶ嶋酒造の歴史は1888年（明治21年）の設立から始まります。翌年には最初の蔵が竣工し、清酒造りのために使用されました。さらに次々と蔵が竣工し、1889年には四番蔵、1891年には二番蔵が完成、それぞれ異なる工程を担う形で、酒造りが拡大していきました。

1894年と1895年には、「百合正宗」と「神鷹」の商標登録が行われ、今日のブランド力の礎を築きました。そして1910年に五番蔵が竣工し、以降現在まで続く酒造りの基盤が確立されます。1919年にはウィスキー蒸留工場の完成と共に、ウィスキーの生産が始まりました。

大きな出来事と受賞歴

1952年の巨人軍水原監督による工場訪問や、2017年と2018年には全国新酒鑑評会で金賞を受賞するなど、江井ヶ嶋酒造には多くの顕著な出来事があります。特に「神鷹」ブランドは、品質の証明としての評価を受け続けています。

見学会とアクセス情報

江井ヶ嶋酒造では、定期的に見学ツアーを開催しており、事前予約を通じて参加が可能です。新型コロナウィルスの影響で一時活動を中止していた時期もありましたが、2022年には再び見学が開始され、多くの人々が酒造りの現場を体験する機会を得ています。

このように、江井ヶ嶋酒造は古き良き伝統を守りつつ、革新を追求している国内外においても注目される酒類メーカーとなっているのです。

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