播磨平野

播磨平野

播磨平野は、兵庫県南西部に位置する広大な平野で、瀬戸内海の播磨灘に面しています。姫路平野や播州平野とも呼ばれ、加古川、市川、夢前川、揖保川などの河川が流れ込み、豊かな自然を育んでいます。平野の東部は印南野台地と呼ばれるなだらかな段丘が広がり、ため池が点在する特徴的な景観を見せています。

地理と自治体

播磨平野には、姫路市、たつの市、高砂市、加古川市、三木市、加西市、西脇市、加東市、小野市、明石市、神戸市（西区、垂水区）、神崎郡福崎町、加古郡（稲美町、播磨町）、揖保郡太子町など、多くの自治体が含まれています。この地域は、かつての播磨国の主要部分であり、兵庫県南西部の中心的な役割を担っています。

交通

交通網も発達しており、山陽本線と山陽新幹線が東西に走り、播但線、加古川線、姫新線が南北に伸びています。道路網も充実しており、山陽自動車道、中国自動車道、播但連絡道路、国道2号、312号、175号、29号、179号、372号などが整備されています。特に国道2号と250号は、海岸沿いの交通を支える重要な役割を担っています。江戸時代には、山陽道が整備されておらず、姫路から大阪までは航路が利用されていました。また、京都へは、北条・社・篠山・亀岡を経由する陸路が主要な街道でした。

港湾

姫路港からは家島諸島や小豆島への航路が出ています。また、明石海峡のフェリー航路は、明石海峡大橋の開通後に廃止されましたが、現在は淡路ジェノバラインが旅客航路を運航しています。播磨灘沿岸には、塩屋から福浦まで16箇所の指定漁港が設けられています。

城郭

播磨平野の中心には、国宝の姫路城がそびえ立っています。その他、明石城、龍野城、三木城、御着城などの城跡も点在し、歴史を感じさせます。

産業

海岸部の埋立地には、高砂、飾磨の火力発電所、広畑の製鉄所など、多くの工場が立ち並んでいます。阪神工業地帯の下請け工場や、戦前から続く大規模工場も存在します。地場産業も盛んで、龍野では醤油やそうめん、三木では金物、小野ではそろばん、加西・西脇では播州織、東条では釣り針、姫路から明石にかけては瓦や煉[[瓦]]、マッチなどが生産されています。農業も盛んで、温暖な気候と肥沃な土地を活かし、米や麦、特に酒造好適米の山田錦の産地として知られています。加古川から姫路にかけては、灘の酒造地としても有名です。また、播磨灘は豊かな漁場であり、ハマチやノリの養殖も盛んです。海産物の加工業も発達しており、蒲鉾、焼きアナゴ、いかなごの釘煮、干し蛸などが特産品です。

観光

播磨平野は、風光明媚な観光地としても知られています。瀬戸内海に面し、淡路島や家島諸島、小豆島などを望むことができます。かつては白砂青松の美しい海岸線が広がっていましたが、現在は護岸工事が進み、一部に昔の面影を残すのみとなっています。姫路城をはじめ、姫路セントラルパーク、法華山一乗寺、書写山圓教寺、綾部山梅林などの観光スポットがあります。また、明石市には、中央標準時子午線にちなんだ文物や、プラネタリウムのある明石市立天文科学館があります。明石海峡大橋は、最新の観光スポットとして人気を集めています。この地域には、イオンモールなどの大型ショッピングモールも立地しています。的形、白浜、新舞子などの海水浴場も人気です。

歴史と文化

播磨平野は、古くから文学作品にも取り上げられてきた景勝地です。源氏物語の須磨や明石の舞台としても知られ、当時の宮廷人から見たこの地域のイメージを伝えています。また、都から遠く離れた地として、流刑や謹慎の場所としても利用されていました。陰陽師や僧兵崩れに関する伝説も多く、民俗学的な側面からも興味深い地域です。

関連項目

日本の地理
飾磨県

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