江北町

佐賀県江北町：交通の要衝、歴史と文化が息づく町

佐賀県の中央部に位置する江北町（こうほくまち）は、杵島郡に属し、県内では杵藤地域に区分されます。鉄道や国道が交わる交通の要衝であり、県内の他の「町」が「ちょう」と読むのに対し、唯一「まち」と読む町として知られています。

地理

江北町は、大平山、御岳山、辨天山などの山々に囲まれ、六角川や牛津川といった河川が流れています。また、新堤という湖沼も存在します。気候は温暖で、平均気温は15.8度、平均降水量は1,853mm。初霜は11月上旬、終霜は4月上旬と比較的穏やかな気候です。

隣接する自治体は、多久市、小城市、杵島郡の大町町、白石町です。町内は6つの大字に分かれています。

歴史

1932年（昭和7年）に小田村、山口村、佐留志村が合併し江北村が誕生しました。1952年（昭和27年）に町制を施行し江北町となりました。その後、1956年（昭和31年）には小城郡砥川村の一部を編入しています。

行政

現在の町長は山田恭輔氏で、2016年から1期目を務めています。町議会は定員10名で、議長は西原好文氏です。

江北町は、かつて杵島郡の合併協議会に参加していましたが、新役場建設位置を巡る対立から協議は破綻し、現在は単独で町制を維持しています。

九州新幹線問題

九州新幹線長崎ルート（西九州ルート）において、江北町は特異な立場をとりました。2008年の町長選挙で、田中源一氏が新幹線建設反対を公約に掲げ当選。新幹線建設が町に利益をもたらさないと主張しました。しかし、佐賀県、長崎県、JR九州による三者合意により新幹線建設は着工されました。田中町長はその後も新幹線反対の姿勢を貫き、2012年の町長選挙では無投票で6選を果たしました。町長引退後も、新幹線建設に対する批判的な立場を表明し続けています。

マスコットキャラクター

江北町には、ビッキー、ピンキー、チビッキーという3体のマスコットキャラクターがいます。ビッキーは1994年に誕生し、2012年にピンキーと結婚。チビッキーは2017年に誕生した2人の子供です。また、江北小学校には「こうちゃん」というイメージキャラクターもいます。

産業

江北町の主な産業は農業と畜産です。特産品としては、減農薬有機米、切餅、みかん、水田ブドウ、レンコン、いちご、たまねぎ、卵油、ローケツ染、杵島牛などが挙げられます。町内にはイワフチ、佐賀プラント工業などの本社を置く企業や、SUMCO佐賀工場、サトウ食品佐賀工場、イイダ靴下佐賀工場などの工場・事業所があります。

交通

鉄道はJR九州の長崎本線と佐世保線が乗り入れる江北駅が町唯一の駅です。江北駅は、かつて肥前山口駅という駅名でしたが、2022年の西九州新幹線開業時に現在の駅名に改称されました。

バスは、祐徳バスが佐賀市と鹿島市、武雄市を結ぶ路線が町内を通過します。また、江北町循環バスが町内各地を巡回しています。

道路は、国道34号、国道207号が通っており、最寄りの高速道路インターチェンジは長崎自動車道の多久IC、武雄北方ICです。

文化・スポーツ施設

町内には、江北町公民館、佐賀のへそ・ふれあい交流センター（ネイブル）、江北町保健センターなどの文化施設や、江北町営花山球場、江北町高砂運動場、江北町弓道場、江北町鳴江河畔公園などのスポーツ施設があります。

名所・旧跡・観光スポット

江北町には、白木聖廟神社、白木パノラマ孔園、馬頭観音堂楠樹、身代り観音、長崎街道小田宿、関川家住宅などの名所・旧跡があります。特に、馬頭観音堂楠樹は、ケンペルやシーボルトが訪れた場所として知られています。

イベント・祭事

主なイベント・祭事としては、白木孔子像祭、天子社祇園、古代かがり火祭りなどが開催されます。

教育

町内には、江北町立江北中学校、江北町立江北小学校、幼児教育センター（江北幼稚園、江北保育園）、永林寺保育園などの教育施設があります。

出身有名人

江北町出身の有名人としては、元プロ野球選手の源五郎丸洋氏や、漫画家の武富健治氏がいます。

江北町は、交通の要衝でありながら、豊かな自然と歴史、文化に恵まれた魅力的な町です。特産品や独自の文化を大切にしながら、今後の発展が期待されます。

もう一度検索