杵島郡

杵島郡の概要

杵島郡（きしまぐん）は佐賀県に属し、肥前国の一部として位置付けられています。2024年8月1日の推計によると、ここには約36,101人が暮らしており、面積は135.94平方キロメートル、人口密度は266人/km²となっています。郡内には大町町、江北町、白石町の3つの町が存在します。

郡域の歴史

杵島郡の歴史は古代にさかのぼります。1878年に行政区画として発足した時点では、武雄市のほぼ全域と、多久市の一部、さらに大町町、白石町、江北町の大部分を含む地域が郡域として定められていました。

古代の杵島郡

「肥前国風土記」や「延喜式」においても言及があり、古くは「岐志万」とも記されていました。伝説によると、景行天皇が九州を巡幸した際、郡内の磐田杵之村で御船を停泊させました。この時、船に積まれていた水が自然に湧き出て、「杵島」と呼ばれるに至ったとされています。古代には多駄、杵島、能伊、島見の4つの郷から成り立っていました。

中世の様子

鎌倉時代には、地元の有力者である後藤氏、武雄氏、白石氏が地域の権力を握っていました。室町時代には後藤氏が台頭し、その勢力は小城郡の千葉氏と競い合う形で強化されていきます。後藤氏は、竜造寺氏と対立を続けており、のちに竜造寺一門として子孫が続きました。

近世の変遷

江戸時代に入ると、杵島郡は佐賀藩の支配下に置かれました。この時期には多くの領地が佐賀本藩領と蓮池領に分かれ、様々な変遷を経ました。

明治時代に入ると、行政区画の変更が相次ぎ、1871年には藩領が佐賀県と蓮池県の管轄となり、その後伊万里県や長崎県の管轄にも移行しました。1878年には杵島郡が正式に設立され、郡役所が武雄村に設置されました。

町村制と現在の状況

1889年、町村制が施行され、杵島郡内にさまざまな町や村が生まれました。次第に町の数は減少し、合併が進みました。1954年には、住吉村や中通村が武雄市に合併し、さらに多くの町村が合併を経て整理されました。特に、2006年には山内町、北方町が武雄市に統合され、現在は3つの町（大町町、江北町、白石町）が残る状態となりました。

行政と地域の未来

杵島郡は長崎県に属していましたが、現在は佐賀県の管轄下にあり、郡長制度も整備されています。地域の発展や歴史を考慮しつつ、今後も地域活性化に向けた取り組みが期待されています。杵島郡はその歴史的背景だけでなく、現在も多くの魅力を持つ地域として知られています。

もう一度検索