江戸家猫三

江戸家猫三（えどや ねこぞう、1900年 - 1989年6月13日）は、20世紀に活躍した寄席芸人です。本名は中田しげる（漢字表記不明）とされています。

生い立ちと芸の道

初代桂ざこばに入門し、三玉という名で落語家としての修行を始めました。その後、宗家江戸家猫八（東京の岡田信吉系統の動物の物まねを得意とした人物とは別人）に師事し、江戸家猫三と改名しました。この改名は、彼の芸風に大きな変化をもたらすきっかけとなりました。

足芸との出会い

猫三の芸人人生を特徴づけるのは、何と言ってもその足芸です。博多での巡業中に、現地の幇間（ほうかん）から足芸を教わったことがきっかけでした。この足芸は、他の芸人にはない珍しいもので、彼の代名詞となりました。

足芸の内容

猫三の足芸は、仰向けになった状態で頭を客席に向け、両足を高く上げることから始まります。足には、ひょっとことおかめのお面を付け、着物を着せます。そして、お囃子に合わせて手足を動かし、踊りを披露します。その動きは、ユーモラスで、観客を笑顔にしました。

引退と復活

戦後、1950年頃に一度引退しましたが、その芸を惜しむ声は多くありました。特に、落語家の桂米朝は、彼の芸を高く評価し、復帰を強く勧めました。その結果、1975年頃に朝日放送の「和朗亭」に出演し、久しぶりに足芸を披露しました。この復活は、多くのファンを喜ばせました。

芸風の特徴

江戸家猫三の芸は、その独特な足芸だけでなく、観客を楽しませることを第一に考えたものでした。彼の芸は、伝統的な寄席芸の中に、新しい要素を取り入れたものでした。その独創的な芸は、多くの人々に愛されました。

晩年と影響

江戸家猫三は、その生涯を通じて、観客に笑顔と感動を与え続けました。彼の足芸は、寄席芸の歴史の中で特筆されるべきものであり、後世の芸人たちにも大きな影響を与えました。

関連人物

柳家語楽

出典

ご存じ古今東西噺家紳士録

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