江戸時代の将棋棋士一覧

江戸時代の将棋棋士たち

江戸時代、将棋は庶民から武士まで広く愛され、独自の文化を形成していました。数々の名勝負が生まれ、多くの優れた棋士が活躍した時代でもあります。本稿では、江戸時代の棋士たちを年代別に見ていきます。

1700年頃以前

1700年頃以前の記録は断片的ですが、大橋家や伊藤家といった名家から多くの棋士が輩出されていました。大橋宗桂(初代)、大橋宗古、伊藤宗看(初代)といった著名な棋士たちが活躍し、その名を残しています。

当時の棋士に関する記録は、いくつかの棋譜集から知ることができます。「仲古将棋紀」(1653年)や「象戯鏡」(1663年)といった貴重な資料には、大橋宗桂(初代)、大橋宗古、初代伊藤宗看の他、荻野眞甫、檜垣是安、本因坊算砂といった棋士・棋客の名前が記されています。他にも、廣庭中書、和泉屋善兵衛、鍵屋庄兵衛（森田宗立）、松本権兵衛（紹尊）、別所素庵、左海久圓、石田似仙（検校）、大橋宗桂(3代)、松平宗左衛門といった棋士たちが活躍していました。

1700年～1800年頃

1700年から1800年頃にかけても、大橋家、伊藤家の棋士たちが中心的な役割を果たしていました。伊藤宗印(2代)、大橋宗与(3代)、伊藤宗看(3代)、大橋宗桂(9代)などが活躍し、その棋譜は後世に伝えられています。1707年出版の「象戯綱目」には、上記の棋士以外にも多くの棋士・棋客の名前が掲載されています。また、1790年出版の「将棋玉手箱」には、当時のアマチュア棋士たちの対局が記録されています。

1800年頃以降

1800年以降は、さらに多くの棋譜集が出版され、多くの棋士の名前が記録に残されています。「将棋粹金」(1812年)、「将棋軌範」(1793年～1824年)、「将棋奇戦」(1811年)、「将棋明玉」(1814年)、「将棋連珠」(1816年)、「将棋絶妙」(1831年)、「将棋精妙」(1831年)、「将棋輝光」(1848年)といった棋譜集には、大橋家、伊藤家の棋士たちの活躍が克明に記録されています。特に「将棋名家手合」は伊藤宗印11世名人に関する貴重な資料です。

この時代には、大橋家、伊藤家以外にも多くの棋士が活躍していました。文政年間（1818年～1830年）～天保年間（1830年～1844年）には、与都、関澄伯理、伯耆利兵衛、生島栄蔵、喜多桂二、青池青季、川島宗臨、帯屋宇兵衛、内藤竜輔、大橋鐐英、多賀亥之助といった棋士たちが台頭しました。天野宗歩と対戦した棋士たちの記録も残っており、当時の将棋界の盛況がうかがえます(1822年～1859年)。

まとめ

江戸時代の将棋界は、大橋家、伊藤家といった名家を中心に発展し、多くの優れた棋士が輩出されました。様々な棋譜集が出版され、彼らの活躍は後世に伝えられています。これらの記録から、当時の将棋文化の一端に触れることができます。さらに研究が進むことで、江戸時代の将棋界の全貌が明らかになることが期待されます。

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