江戸町 (神戸市)

神戸市中央区江戸町：歴史と現代が交差する商業地

神戸市中央区に位置する江戸町は、古くからの歴史と近代的な街並みが調和した、魅力的な商業地域です。面積は0.02372936平方キロメートルとコンパクトながら、その歴史と現代の商業活動の活気は、他の地域にはない独特の雰囲気を醸し出しています。

江戸町の歴史：外国人居留地から現代へ

江戸町の地名は、1872年（明治5年）に、神戸外国人居留地内に設けられた道路に付けられたことに始まります。居留地内には東西5本、南北8本の道路があり、その東から3番目の道路に「江戸」という、当時の著名な地名にちなんだ名前が与えられました。幅8.1メートル、長さ397.2メートルに及ぶこの道路は、当時、国際的な雰囲気に満ち溢れていた様子が偲ばれます。

1899年（明治32年）、居留地が返還された際に正式な町名となり、その後、数々の歴史的出来事が江戸町で繰り広げられます。1901年から1918年にかけてはペルー領事館、そして1914年から1918年、さらに1929年にはデンマーク領事館が設置されました。また、1925年には播磨町から外人商業会議所が移転し、名称変更を経て、1929年には現在の神戸商工会議所へと移転していきました。この他にも、スウェーデン領事館も一時江戸町に置かれていたという記録が残されています。

1934年には、周辺地域である前町、仲町、北町、裏町の一部を編入し、現在の江戸町の範囲が確定しました。そして、1965年には、第一回神戸市建築文化賞準賞を受賞した栄ビルが完成し、市庁舎第3庁舎として利用されるなど、江戸町は神戸市の発展に貢献してきました。

江戸町の現代：商業ビルが立ち並ぶ街並み

現在、江戸町は商業地域として発展を遂げています。オフィスビルや商業施設が立ち並び、日中は多くのビジネスパーソンが行き交います。旧居留地の東から3番目の筋に位置することから、周辺には他の歴史的建造物も多く、近代的な高層ビルと調和した独特の街並みを形成しています。

地理的には、東は伊藤町、南は海岸通、西は京町、北は三宮町と、神戸の中心地に位置し、交通アクセスも良好です。丁目は設けられておらず、居留地時代からの地番を他の町々と共用する、独特の町割りとなっています。

江戸町の施設：歴史と現代の融合

江戸町には、歴史的建造物や近代的な高層ビルが混在しています。かつての文献によれば、市会議事堂、市民生協会館、リクルート神戸ビル、兵庫クレジットビル、ストロングビル、江戸ビル、神戸銀行協会、高砂ビル、三共生興スカイビル、日本銀行神戸支店など、様々な施設が存在していたことが記録されています。これらの施設は、江戸町の多様な機能と、歴史の重なりを象徴しています。

まとめ

江戸町は、明治時代にその歴史が始まり、外国人居留地時代の面影を残しつつ、現代の商業都市として発展を遂げてきた町です。歴史的な建造物と近代的な高層ビルが混在する独特の街並みは、神戸の街の歴史と発展を語る上で重要な場所となっています。今後も、この歴史と現代が融合した街並みが、神戸の新たな魅力として発展していくことが期待されます。

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