江永

江 永（こう えい）とは

江永（こうえい、1681年 - 1762年）は、清代中国の著名な学者であり、徽州府婺源県に生まれました。彼の字は慎修とされ、朱熹の故郷である婺源県で育ったことから、彼もまた朱子学に深く影響を受けました。

学問の歩み

江永は、若い頃から『周礼』や『十三経注疏』などに注目し、その研究に情熱を注ぎました。彼はその中で校勘技術を駆使し、精密な学問探究を行った結果、古代から近代にかけての制度、音声（鐘律）、天文学、地理学、音韻学など、幅広い領域に精通するようになりました。 彼の活動は、清代の考証学における浙江皖派の確立に寄与し、その門下には戴震、段玉裁、王念孫などの著名な学者がいました。彼らの研究と著作は、特に『説文』や『爾雅』を基礎とする訓詁声韻の学問の発展に多大な貢献をしました。

主な著作

江永は多くの著作を残していますが、その中でも特に有名でボリュームのあるものには以下が含まれます：

• - 『礼経綱目』（全88巻）: 古代礼俗に関する体系的な研究を行った著作。
• - 『四書典林』（全40巻）: 四書に基づく理論と解説を提供する重要な文献。
• - 『古韻標準』（全6巻）: 音韻体系の基本をまとめた作品。
• - 『群経補義』（全5巻）: 複数の経典の補足説明を行う著作。
• - 『近思録集注』（全14巻）: 近思録の様々な解釈を示した書。
• - 『律呂闡微実』（全11巻）: 音律や旋律に関する詳細な考察。
• - 『四声切韻表』（全4巻）: 音韻の切韻についての体系的な説明。
• - 『春秋地理考実』（全4巻）: 春秋時代の地理に関する実証的研究。
• - 『読書随筆』（全12巻）: 読書に関する考察や随筆。
• - 『周礼疑義挙要』（全6巻）: 周礼に関する疑問とその解釈。
• - 『儀礼釈宮増注』（全1巻）: 儀礼についての考察と注釈。
• - 『礼記訓義択言』（全8巻）: 礼記の訓義に関する解説。

江永の業績は彼の生涯に亘って多くの学問的影響を及ぼし、彼の著作は後世の研究者たちにとって貴重な資料となっています。そのため、江永は清代の儒学において重要な位置を占めており、彼の学問は後の時代における研究にも大きな影響を与えています。

参考文献

江永に関する情報は以下の資料でも確認できます：

• - 『清史稿』巻487
• - 『清史列伝』巻68
• - 『国朝先正事略』巻34
• - 『清代樸学大師列伝`

江永の学問、著作そしてその影響は今もなお、研究され続けており、中国の学術史において彼の功績は語り継がれています。

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