池上裕子

池上裕子（いけがみ ひろこ）氏は、1947年11月、新潟県佐渡市赤玉に生まれました。新潟県立佐渡高等学校を経て、新潟大学人文学部経済学科を卒業後、一橋大学大学院経済学研究科修士課程を修了。1977年には同大学院博士後期課程を単位取得退学し、経済史を永原慶二氏に師事しました。

相模女子大学講師を経て、1991年に成蹊大学助教授、1995年には同大学文学部教授に就任し、国際文学科主任も務めました。2001年には日本国際文化学会の発起人となり、同年、中央大学で博士（史学）の学位を取得しています。2013年4月1日には、長年の教育・研究活動が評価され、成蹊大学名誉教授の称号を授与されました。

池上氏の研究は、特に戦国時代から近世への移行期の社会経済史に焦点を当てています。その成果は高く評価されており、2000年には『戦国時代社会構造の研究』で第22回角川源義賞を受賞しました。この著作は、戦国時代の社会構造を詳細に分析し、その後の社会変動との関連性を考察したもので、学術界に大きな影響を与えました。

また、池上氏は研究活動にとどまらず、歴史をより身近に感じてもらうための活動にも積極的に取り組んでいます。多数の歴史漫画の監修を手がけ、正確な歴史知識に基づいた作品づくりに貢献しています。これにより、歴史に関心のなかった人々にも歴史の面白さや重要性を伝える役割を果たしています。

著書

『戦国の群像』集英社版日本の歴史、1992年
『戦国時代社会構造の研究』校倉書房<歴史科学叢書、1999年
『織豊政権と江戸幕府』講談社<日本の歴史15>、2002年
『織田信長』吉川弘文館・人物叢書、2012年
『日本中近世移行期論』校倉書房<歴史科学叢書、2012年
共著：『東京都の歴史』竹内誠,古泉弘,加藤貴,藤野敦共著 山川出版社 県史 1997

主な活動

学会:歴史学研究会、日本史研究会、史学会、歴史科学協議会所属。
社会的活動:文部科学省文化審議会文化財分科会第三専門調査会委員。

池上裕子氏は、研究者としてだけでなく、社会への貢献も積極的に行う、現代社会における歴史学の重要な担い手の一人と言えるでしょう。

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