歴史科学協議会

一般財団法人歴史科学協議会について

一般財団法人歴史科学協議会（Association of Historical Science）は、日本の歴史学の発展を目的とした学術団体です。1946年に設立された民主主義科学者協会を前身とし、1967年に現在の形となりました。2008年には一般財団法人格を取得し、歴史研究者だけでなく、大学院生や高校教員など、約1200人の幅広い会員が所属しています。

学会活動と特徴

歴史科学協議会は、最新の研究成果に基づいた学会活動を積極的に行っています。また、「歴史を学ぶ全ての方に開かれた学会」として、市民向けの講座やシンポジウムも開催し、歴史への関心を高める活動にも力を入れています。

毎月発行される学術誌『歴史評論』は、1946年の創刊以来、歴史研究における重要な発表の場となっており、2015年7月時点で783号を数える歴史ある雑誌です。

歴史科学協議会は、歴史教科書問題や歴史認識問題にも積極的に関与しており、特に家永教科書裁判においては、家永氏の立場を支持しました。また、慰安婦問題に関する声明発表など、歴史に関わる社会的な問題にも積極的に発言しています。

他学会との連携

歴史科学協議会は、全国各地の歴史研究会と連携しており、北海道歴史研究者協議会、東京歴史科学研究会、大阪歴史科学協議会など11の研究会が加盟しています。これらの団体は、歴史科学協議会と共同で、または個別に活動を行い、各地の歴史研究を活性化させています。

また、歴史教育者協議会とも連携し、歴史教育の向上にも貢献しています。両団体は、日本学術会議から協力学術研究団体に指定されており、日本の歴史研究と教育において重要な役割を果たしています。

2015年には、「慰安婦」問題に関する日本の歴史学会・歴史教育者団体の声明を発表し、日本史研究会、歴史学研究会など16の学会が共同で、歴史の真相解明と問題解決に向けて取り組んでいます。

2016年には、慰安婦問題日韓合意に対して、各学会と共同で「政府間で一方的に『解決』を宣言し、以降の議論を封殺するかのごとき手法では、『慰安婦』問題の抜本的な解決はありえない」と反対する声明を発表しました。2021年には、ハーバード大学のJ・マーク・ラムザイヤー教授の論文に対し、歴史的正義に基づき撤回を求めるなど、歴史問題における活発な活動を続けています。

主な出版物

歴史科学協議会は、学術誌『歴史評論』のほか、多数の書籍を出版しています。

学術誌

『歴史評論』（毎月10日発行）：A5判の学術雑誌で、書店や協議会への注文で一般の方も購入できます。

書籍

歴史科学協議会は、歴史学の基礎から応用まで、幅広い分野の書籍を出版しています。

『歴史の名著（日本人篇）』、『歴史の名著（外国人篇）』：歴史学の古典的名著を紹介するシリーズです。
歴史科学大系：全34巻からなる大規模な叢書で、歴史学の体系的な理解を深めることができます。
『歴史科学への道』、『歴史科学入門』：歴史学を学ぶための入門書です。
『現代歴史学の青春』、『現代を生きる歴史科学』：現代の歴史学の動向を捉えた著作です。
その他：『女性史研究入門』、『歴史における家族と共同体』、『新しい中世史像の展開』など、多岐にわたるテーマの書籍を出版しています。

歴史科学協議会は、歴史研究と教育の発展に貢献するため、幅広い活動を展開しています。その活動は、日本の歴史学界において重要な役割を担っています。

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