池田吉泰

池田吉泰: 江戸時代中期の大名

池田吉泰（いけだ よしやす）は、江戸時代中期に因幡国鳥取藩の第3代藩主を務めた重要な大名です。幼名は長吉で、後に勝五郎と名乗りました。彼の初名は輝清（てるきよ）、続いて吉明（よしあき）と変遷し、最終的には吉泰に至ります。官位は従四位下侍従、右衛門督を経て、相模守や左近衛少将に就任しました。

生涯の足跡

貞享4年（1687年）に池田仲澄の長男として江戸の東館に生まれた吉泰。その母は松平頼隆の娘、菊子（凉月院）です。9歳の時、彼は鳥取藩の2代藩主である池田綱清の養子となり、綱清から「清」の字を受けて輝清と名乗ることになります。そして14歳の時、綱清から家督を譲り受け、従四位下侍従に叙任され、右衛門督を名乗りました。

特に重要な出来事として、元禄13年（1700年）には、将軍徳川綱吉の前で元服を行い、綱吉から「吉」の字を受けて吉明（後の吉泰）と名乗ることとなります。婚姻においては宝永5年（1708年）に加賀藩の4代藩主前田綱紀の五女、敬姫（宝林院）との結婚がありました。

藩政と文化活動

吉泰の藩政は、数多くの災害や社会不安に直面し、藩内の風紀が乱れることも少なくありませんでした。このため、藩は綱紀粛正令や倹約令を何度も発布する必要がありましたが、吉泰自身も倹約令を出す一方で、能楽への趣味が高まりました。特に彼は参勤交代の際に気に入った能面を購入することを楽しみ、その数は800面以上に達したとされています。この数は当時の将軍家が保有していた能面の数を上回っていたと言われています。

彼のこの文化活動は、戦国時代から江戸時代にかけての武士の嗜好や文化の多様性を示す良い例と言えるでしょう。

死去とその後

元文4年（1739年）7月23日、吉泰は53歳で亡くなりました。彼の法号は天祥院殿機運衍応大居士であり、墓地は鳥取藩主池田家の墓所に位置します。また、菩提寺は龍峯山興禅寺です。長男の宗泰が家督を継ぎ、側室の横尾氏との間に生まれた亀姫も、吉泰の墓前に正室の敬姫（宝林院殿建国浄香大姉）と共に墓碑が建立されています。

吉泰の系譜

吉泰の家族構成は以下のようになります。

• - 父: 池田仲澄（1650年 - 1722年）
• - 母: 菊子（松平頼隆の娘、涼月院）
• - 養父: 池田綱清（1648年 - 1711年）
• - 正室: 敬姫（1689年 - 1737年） - 宝林院、加賀藩4代藩主前田綱紀の五女
• - 側室: 美那（中村孫助の娘）
• - 男子: 池田宗泰（1717年 - 1747年）
• - 側室: 横尾氏
• - 女子: 亀姫（瑤台院、佐賀藩6代藩主鍋島宗教と婚約するも早世）

池田吉泰はその生涯を通じて、藩政運営に努め、また文化の発展にも寄与した立派な大名であったと言えるでしょう。

もう一度検索