池田矼

池田矼（いけだばし）

池田矼は、沖縄県宮古島市（旧下地町）の崎田川に架かる石造りのアーチ橋です。1977年7月1日に沖縄県の史跡に指定されており、日本百名橋の番外としてもその名を知られています。池田橋とも呼ばれています。

概要

琉球石灰岩をアーチ状に積み上げて造られたこの橋は、先島諸島における石灰岩アーチ橋の貴重な現存例です。橋のすぐ近くには、国道390号の崎田橋が架かっています。

歴史

伝承によれば、池田矼は明朝の正徳年間（1506年-1521年）に、仲宗根豊見親の命によって建設されました。これは、平良と下地の間の湿地帯を通行する際の困難を解消するため、平良から洲鎌、上地、与那覇へと続く下地矼道（しもじばすうんつ）の一部として整備されたとされています。ただし、これらの伝承を記した家譜が編纂されたのは、橋が架けられたとされる時代から約200年後の18世紀中頃である点には留意が必要です。

池田矼を現存する日本最古の石橋とする資料も存在しますが、那覇市にある末吉宮磴道橋（通路として架かる橋）が1456年、同じく那覇市にある天女橋、龍淵橋が1502年に架橋されているため、池田矼の架橋はこれらよりも後であると考えられます。

『雍正日記』には、「池田矼、南北長20間、横3間、高サ9尺5寸村北ノ潟陸原ニアリ」という記述があり、少なくとも1727年（雍正5年）には池田矼が存在していたことがわかります。また、『宮古島在番記』には、1817年（嘉慶22年）に下地矼道とともに修復されたという記録が残っています。

池田矼は、その美しいアーチと歴史的な背景から、宮古島の貴重な文化遺産として、今も大切にされています。訪れる人々は、石橋の風格ある佇まいを通して、往時の人々の知恵と技術を感じ取ることができるでしょう。

参考文献

松村博『日本百名橋』鹿島出版会
現地の紹介看板

関連項目

日本の橋一覧

外部リンク

【県指定：史跡】下地町の池田矼〜しもじちょうのいけだばし〜 宮古島アプリ 綾道（宮古島市教育委員会）

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