池田義信

池田義信 - 日本の映画界の先駆者

池田義信（いけだ よしのぶ、1892年3月10日 - 1973年9月1日）は、日本の映画監督及び脚本家で、その本名は池田義臣（いけだ よしおみ）です。彼は映画製作者連合会の初代事務局長や映画倫理規程管理委員会の副委員長を歴任し、日本映画界において重要な役割を果たしました。

人物・来歴

池田は1892年に長野県の上水内郡三輪村で生まれました。長野郵便局での勤務を経て、1920年に松竹蒲田撮影所に入社し、そこで新派系の演出家たちに師事しました。1921年には田中欽之の監督のもとで「親なき娘」の脚本を担当し、同年には「生さぬ仲」で初めて監督を務めます。

池田は1923年に女優の栗島すみ子と結婚し、同年の関東大震災後には松竹下加茂撮影所に移転、その後、蒲田が復興した際には「スヰート・ホーム」を発表しました。彼は1932年に栗島主演の「情人」で初めてトーキー映画に挑戦しましたが、その後もサイレント映画を制作し続けました。

1936年、彼はトーキー映画「結婚の条件」を撮影し、この作品を最後に映画監督としてのキャリアを終えました。その翌年には妻の栗島も引退し、池田は1945年に映画製作者連合会の初代事務局長に就任しました。1937年には、映画倫理規程管理委員会の副委員長も兼任しました。

池田は1973年に81歳で亡くなり、その活動や影響は日本の映画文化に今なお残っています。彼の作品のいくつかは現在も東京国立近代美術館フィルムセンターに所蔵されており、特に「不如婦」と「小唄集 第二篇 ストトン」は貴重な上映用プリントとして知られています。

フィルモグラフィ

デビューから映画監督を引退するまで、池田は多くの作品を手がけました。特に、1921年から1936年の期間に制作された作品が多く、その中で彼の映画スタイルやテーマが明確に現れています。以下にいくつかの作品を挙げます。

• - 1921年: 『親なき娘』の脚本を担当。
• - 1921年: 映画『生さぬ仲』で監督デビュー。
• - 1924年: 『スヰート・ホーム』を原作、脚本、監督として発表。
• - 1932年: 初のトーキー映画『情人』を制作。
• - 1936年: 彼のキャリアを締めくくる映画『わが母の書』を撮影。

映画界における貢献

池田義信の影響は単なる映画制作にとどまらず、映画倫理や産業の発展にも寄与しました。また、彼の業務によって形成された映画倫理規程は、その後の日本の映画制作において重要な基盤となりました。

映画界の隅々にまでその存在感を示した池田は、戦前から戦後にかけて日本映画の発展に寄与し、多くの次世代の映画人へも影響を与え続けています。彼の作品は今もなお、映画ファンや研究者にとって重要な資料とされています。

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