池谷半二郎

池谷半二郎：激動の時代を駆け抜けた陸軍軍人

池谷半二郎は、1900年（明治33年）1月25日に静岡県で生まれ、1984年（昭和59年）3月17日に生涯を閉じた、日本の陸軍軍人です。最終階級は陸軍少将。

生い立ちと初期の軍歴

池谷半二郎は、池谷幸作の二男として誕生しました。静岡中学校（現在の静岡県立静岡高等学校）を経て、名古屋陸軍地方幼年学校、中央幼年学校へと進み、エリート軍人としての道を歩み始めます。1921年（大正10年）7月、陸軍士官学校（33期）を卒業し、同年10月には工兵少尉に任官、工兵第9大隊に配属されました。その後、1924年（大正13年）12月に陸軍砲工学校高等科（30期）を卒業、1929年（昭和4年）11月には陸軍大学校（41期）を優等で卒業し、その優秀さを示しました。

軍の中枢での活躍

1930年（昭和5年）8月、工兵大尉に昇進した池谷は、1932年（昭和7年）2月に参謀本部員（船舶班）に就任し、軍の中枢で活躍するようになります。ドイツやソビエト連邦への駐在、陸軍大学校での教官などを経て、1936年（昭和11年）8月には工兵少佐に昇進しました。1937年（昭和12年）10月には第10軍参謀に就任し、中支那方面軍参謀、陸軍大学校教官を歴任。1938年（昭和13年）6月には第11軍参謀に発令され、日中戦争に出征しました。同年7月には工兵中佐に進級、同年12月には陸軍大学校教官に再び転じました。

大本営での要職と太平洋戦争

1939年（昭和14年）12月、池谷は大本営船舶部長に就任し、その後、参謀本部課長に異動。1941年（昭和16年）3月には陸軍大佐に進みました。同年11月には第25軍参謀として太平洋戦争に出征し、マレー作戦やシンガポールの戦いに参戦しました。陸軍省整備局交通課長を経て、1944年（昭和19年）3月には第1方面軍参謀として満州に赴任。同年12月には第3軍参謀長に転じ、1945年（昭和20年）3月には陸軍少将に進級し、牡丹江で終戦を迎えました。

終戦とシベリア抑留

終戦後、池谷は1950年（昭和25年）5月までシベリア抑留を経験しました。激動の時代を生き抜いた軍人としての過酷な一面を物語っています。

親族と著書

池谷の義父は、陸軍軍医少将の西郷吉弥です。また、池谷は自らの軍人としての経験を綴った著書『或る作戦参謀の回想』を1978年に出版しています。

参考文献

池谷半二郎の研究には、以下の文献が参考になります。

秦郁彦編『日本陸海軍総合事典 第2版』東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
* 外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

池谷半二郎は、日本の激動の時代を軍人として生き抜き、その生涯は日本の近代史を語る上で重要な一ページとなっています。

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