沖家室島

沖家室島について

沖家室島（おきかむろじま）は、山口県大島郡周防大島町に属する小さな島で、瀬戸内海の防予諸島の一部です。この島は、屋代島の南約400メートルの位置にあり、人口は平成27年の国勢調査によると約137人です。高齢化率が非常に高く、長寿郷としても有名です。

地理と環境

沖家室島は自然環境が厳しく、ほとんどの部分で山が海に迫っています。平坦な土地がほとんどないため、生活空間が限られていますが、その分島民は山と海の恵みを活かした生活をしています。また、南の沖合は浅瀬が広がっているため、漁業が非常に盛んです。

交通アクセス

この島へのアクセスは、山口県道362号白木漁港佐連線を利用し、沖家室大橋（全長380メートル）を渡ることで周防大島と繋がります。この橋が1983年に開通したことで、これまで不便だった交通が改善され、島外との交流が豊かになりました。

主な産業

沖家室島の経済活動は主に漁業に依存しています。特に、鯛の一本釣りは同地域の特産品であり、瀬戸内海の漁業の中心地としても知られています。また、ひじきも地元の名産品として大変人気があります。

歴史的背景

古くは、瀬戸内海で帆船が行き交っていた時代に賑わいを見せていました。江戸時代には萩藩の番所が置かれ、明治時代には島の人口が3000人を超え、当時の日本で最も人口密度の高い地域となりました。人々は対馬や朝鮮、台湾、さらにはハワイへも出漁・移住し、広範な交流がありましたが、その後昭和前期から人口が減少し始め、現在では約200人にまで減少しています。

また、島民や国内外に住む出身者たちとの交流を深めるために、定期的に会報も発行されています。戦前は「かむろ」という名称で、戦後は「潮音」として知られています。

文化とイベント

沖家室島の「漁村集落」は、2006年には水産庁から「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」に選ばれました。島の人々は、毎年お盆の時期に外で働く人々が帰省し、通常の10倍以上の人口となります。このため、島は「盆に沈む島」とも呼ばれ、この独特な現象が島の文化のひとつとなっています。島民はお互いに助け合いながら、この小さなコミュニティを守り続けています。

このように、沖家室島はその独特な地理的特徴や豊かな歴史、そして深いつながりを持つコミュニティによって、特別な存在となっています。

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