沖島 (海防艦)

沖島（おきのしま）

沖島は、日本海軍に所属する海防艦であり、その名は対馬海峡の沖に位置する沖ノ島に由来していると考えられています。この艦は、初代の沖島であり、後に登場する敷設艦にも同名が付けられています。沖島の前身は1896年にロシアの造船所で進水したアドミラル・ウシャコフ級海防戦艦の「ゲネラル・アドミラル・アプラクシン」です。

艦歴

ゲネラル・アドミラル・アプラクシンの建造と運用

「ゲネラル・アドミラル・アプラクシン」は、1894年に建造が開始され、1896年に進水しました。公試を経て、同年問合せのコペンハーゲンに向けて出港し、数ヶ月間同地に滞在しました。その後、冬季の基地であるリババに向かう途中に悪天候に見舞われ、座礁するという不運な出来事が起こりました。この艦は約700トンの浸水を受け、修理が必要となりました。

日露戦争と日本海軍への編入

「ゲネラル・アドミラル・アプラクシン」は、その後バルチック艦隊に所属し、日露戦争に参加しましたが、1905年5月28日に日本海軍に降伏しました。この戦いは日本海海戦として知られています。その結果、艦は日本に鹵獲され、日本海軍に編入されることとなりました。

沖島としての運用

1905年6月6日、艦名は「沖島」に改名され、日本海軍の一員として活動を開始しました。沖島は新設された第四艦隊第七戦隊に配属され、陸軍の輸送艦の護衛任務に当たりました。この艦には、前方に1基の45口径25.4cm連装砲塔、後方に1基の45口径25.4cm単装砲塔が装備されており、当初の火力は主砲3門でしたが後に副砲の換装が行われました。

第一次世界大戦では、沖島は第二艦隊・第二戦隊に属し、青島方面での作戦に従事しました。沖島は1922年に除籍され、その後は佐世保海兵団の練習船として使用されましたが、1924年には廃艦となります。

記念と遺産

廃艦後、沖島は日本海海戦の戦跡保存会に払い下げられ、記念館として保存される予定でしたが、残念ながら荒天により座礁し破壊されてしまいました。最終的には、1939年に解体されました。その存在は日本海軍の歴史に深く根付いており、多くの艦長が沖島の指揮を執った記録が残されています。

余談

日露海戦の際には、日本側でロシアの艦名がなじみが薄く、「油布巾」という独特の名前が付けられることもありました。このように、沖島はただの艦船に留まらず、日本の海軍史において重要な役割を果たしました。沖島の艦歴は、戦争の時代を反映した実績と物語を有しています。

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