沖縄県祖国復帰協議会

沖縄県祖国復帰協議会の歴史と影響

沖縄県祖国復帰協議会（略称：復帰協）は、1960年にアメリカ施政権下の沖縄において設立され、本土復帰運動の中心的な団体として活動してきました。この協議会は、地域の多くの団体が結集した超党派の組織であり、その背景には時代の流れと沖縄の特殊な歴史的状況があります。

組織の形成と初期活動

復帰協は1950年代後半の軍用地問題を契機に再び活性化した復帰運動の中で、1960年4月28日に結成されました。この日は対日講和条約が発効した日でもあり、沖縄の人々にとって特別な意味を持つ「沖縄デー」とされます。初代会長には沖縄教職員会出身の屋良朝苗が就任し、46の有力団体が復帰協に参画しました。

結成当初から復帰協は、沖縄の本土復帰に向けた要請や宣伝活動を主な目的としていました。復帰要求を掲げるだけでなく、沖縄の反戦反基地運動や自治権拡大、生活や人権を守るための運動にも積極的に関与し、県民運動の中心的な役割を果たしました。

運動の展開と変化

復帰協は、時代の流れとともに様々な政治的アクションを行いました。特に、ベトナム戦争の激化やキャラウェイ高等弁務官による強権的な政策が影響し、沖縄の人々の反米・反戦の声はさらに高まりました。復帰協は琉球列島米国民政府との対立を強め、沖縄の将来に対する明確なビジョンを持つようになりました。

1970年代に入ると、沖縄の保守政党との接点も見られるようになり、次第に日米両政府の間で沖縄返還が重要な政治課題として浮上しました。特に、1968年の行政主席選挙で即時復帰を掲げた屋良朝苗が当選したことで、返還協議は本格化し、沖縄の本土復帰へと向かう流れが加速しました。

本土復帰の実現とその後の影響

1972年5月15日、日本本土への復帰が実現するのですが、これは沖縄の地域住民にとって大きな歴史的な出来事でした。この復帰は、単なる領土の返還にとどまらず、沖縄の人々が国民主権や平和主義をもって生きていく新たな歴史の出発を意味しました。復帰協は、その後の復帰運動が目指した理念と意義を持ち続けた組織でした。

残念ながら、復帰協は本土復帰から5年後の1977年5月15日に解散しました。しかし、その活動がもたらした影響は今なお根強く残っており、沖縄の歴史的背景や地域のアイデンティティ形成において重要な役割を果たしています。沖縄県祖国復帰協議会は、沖縄の自治権や平和を求める声が結集した象徴的な団体として、今も多くの人々に語り継がれています。

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