沖縄県立八重山病院

沖縄県立八重山病院について

沖縄県立八重山病院は、沖縄県石垣市に位置する県立の医療機関であり、八重山医療圏における地域医療の中核を担う病院です。災害拠点病院としての指定も受けており、地域住民の命と健康を守る重要な役割を果たしています。また、西表島や小浜島、波照間島に4ヶ所の付属診療所を持ち、島嶼部における医療体制の維持にも貢献しています。

歴史

1949年、八重山民政府立慈善病院としてわずか10床でスタートした八重山病院は、その短い歴史の中で数々の変遷を経験しました。最初の病院は開設から5ヶ月後に焼失するという不運に見舞われましたが、その後、名称の変更や移転を繰り返し、1960年には琉球政府立八重山病院として新築移転しました。沖縄返還後の1972年には現在の沖縄県立八重山病院となり、1980年には石垣市大川へと移転しました。

2013年には、台風による被害を受けたため、新病院の建設計画が浮上しました。そして、2018年10月1日、石垣空港跡地へと移転し、最新の医療設備を備えた新病院が誕生しました。この新病院建設地は、第二次世界大戦中に海軍の飛行場として使用されていたため、工事中に不発弾が相次いで発見され、開院が当初の予定から遅れるという出来事もありました。新病院は鉄筋コンクリート構造の地上5階建てで、旧病院と比較して敷地面積は約1.6倍、延床面積は約1.4倍となり、病床数は302床に増加しました。また、診療科目には新たに歯科口腔外科が加わり、医療体制の充実が図られています。

付属診療所

八重山病院は、本院だけでなく、以下の付属診療所を通じて、地域医療を支えています。

西表西部診療所: 西表島の祖納に位置する診療所。
大原診療所: 西表島の大原に位置する診療所。一時休止を経て再開。
小浜診療所: 小浜島に位置する診療所。休止期間を経て再開。
波照間診療所: 波照間島に位置する診療所。休止と再開を経て現在に至る。

過去には、鳩間島や石垣島北部の伊原間にも診療所が存在しましたが、現在は休止・終了しています。

診療科

八重山病院では、内科、外科、小児科、産婦人科、精神科など、幅広い診療科を設け、地域の医療ニーズに対応しています。また、救急科や歯科口腔外科も備え、緊急時や専門的な治療にも対応できる体制を整えています。以下は主な診療科の一覧です。

内科
循環器内科
呼吸器内科
消化器内科
小児科
外科
呼吸器外科
消化器外科
精神科（こころ科）
泌尿器科
整形外科
産婦人科
耳鼻咽喉科
皮膚科
眼科（休診中）
リハビリテーション科
脳神経外科
麻酔科
放射線科
救急科
* 歯科口腔外科

医療機関の指定

八重山病院は、救急告示医療機関、災害拠点病院、へき地医療拠点病院など、様々な医療機関の指定を受けています。これは、病院が地域医療において果たすべき役割の大きさを物語っています。

アクセス

病院へのアクセスは、石垣港離島ターミナルから車で約15分、新石垣空港からは約20分です。また、バス路線も整備されており、東運輸が運行する新路線「八重山病院線」を利用することで、市街地からのアクセスも容易になっています。

近隣施設

病院の近隣には、石垣市消防本部、沖縄県八重山合同庁舎、八重山保健所、石垣島徳洲会病院などがあります。これらの施設との連携を通じて、地域全体の医療体制の強化に貢献しています。

沖縄県立八重山病院は、八重山諸島における地域医療を支える重要な医療機関として、今後も地域住民の健康と福祉に貢献していくことが期待されます。

もう一度検索