沖縄県立南部医療センター・こども医療センター

沖縄県立南部医療センター・こども医療センターについて

沖縄県立南部医療センター・こども医療センターは、沖縄県島尻郡南風原町に位置する県立の医療機関です。救命救急センターや沖縄県災害拠点病院の指定を受けており、地域医療の中核を担っています。その名称から小児専門病院と思われがちですが、成人部門も非常に充実しており、プライマリケアから高度専門医療まで幅広い診療を提供しています。また、県内でも数少ない完結型の研修指定病院として、質の高い研修を提供していることでも知られています。

沿革

この病院は、その前身である琉球政府立那覇病院として1959年8月に開院しました。以下に主な沿革をまとめます。

1953年: 米国民政府が総合病院基本計画を策定。
1954年: 那覇市字与儀の国有地を病院用地に決定。
1955年: 整地工事と建設工事が開始。
1956年: 本館および食堂炊事が竣工。
1957年: 2階増築工事が開始。
1959年: 田端辰夫氏が初代院長に就任し、落成式を挙行。琉球政府立那覇病院として開院。
1972年: 本土復帰に伴い、沖縄県立那覇病院に名称変更。糸満結核診療所も県立那覇病院となる。
1974年: 那覇病院を本院、糸満を分院とする組織改正。那覇病院広域救急医療センターの建設を開始。
1975年: 那覇病院広域救急医療センターが竣工し、増床。
1987年: 那覇市与儀（旧琉球大学医学部附属病院跡）に移転。
2005年: 県立南部医療センター・こども医療センターが開院。県立那覇病院は廃止。

開院当初は那覇市内にありましたが、その後、移転・改築を経て現在の南風原町に至っています。また、その過程で救急医療体制の強化や診療科目の拡充が行われてきました。

特徴

幅広い診療科: 内科、外科、小児科、産婦人科、精神科など、多岐にわたる診療科を擁しています。特に、成人部門と小児部門が併設されている点が特徴的です。
高度な医療: 人工心臓などの高度専門医療にも対応できる設備と技術を有しています。
救命救急センター: 24時間体制で救急医療を提供しており、県内の救急医療を支えています。
災害拠点病院: 沖縄県災害拠点病院として、災害発生時には重要な役割を果たします。
充実した研修制度: 臨床研修病院として、初期研修、後期研修を合わせて多くの医師を育成しています。特にプライマリコースでは、離島診療所での研修も組み込まれており、地域医療に貢献できる医師の育成に力を入れています。

診療科目

南部医療センター（成人部門）

内科（総合内科、神経内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、腎臓内科、リウマチ科、血液内科）
外科（一般外科、心臓血管外科、整形外科、形成外科、脳神経外科）
皮膚科
泌尿器科
産婦人科
眼科
耳鼻咽喉科
リハビリテーション科
放射線科
麻酔科
病理診断科
集中治療科
救命救急科
血管内治療センター
精神科

こども医療センター（小児部門）

小児科
小児腎臓内科
小児神経内科
小児循環器内科
小児血液腫瘍科
新生児内科
小児外科
小児心臓血管外科
小児形成外科
小児整形外科
小児脳神経外科
小児麻酔科
歯科・口腔外科

救命救急センター（成人・小児）

完全ER型の救急医療を提供

臨床研修

初期研修では、総合内科と救急部を中心に、様々な診療科をローテーションします。後期研修では、内科、外科、ER、小児科、産婦人科などのコースに分かれて専門性を深めます。独自のプライマリコースを選択した場合は、離島診療所での研修も行います。

附属診療所

粟国診療所
渡名喜診療所
阿嘉診療所
座間味診療所
渡嘉敷診療所
久高診療所
北大東診療所
南大東診療所

主な指定医療機関

救命救急センター
エイズ治療拠点病院
周産期母子医療センター
結核予防法指定病院
原爆医療指定病院
へき地医療拠点病院
沖縄DMAT指定医療機関

交通アクセス

複数のバス路線が利用可能です。県立医療センターバス停、県立医療センター前バス停、県立医療センター東口バス停が最寄りのバス停となります。

不祥事・医療ミス・医療事故

過去には、医師による無免許での麻薬投与指示という不祥事も発生しています。

関連項目

沖縄県立北部病院
沖縄県立中部病院
沖縄県立精和病院
沖縄県立宮古病院
沖縄県立八重山病院
沖縄県立看護大学
都道府県立病院
DMAT

まとめ

沖縄県立南部医療センター・こども医療センターは、地域医療を支える重要な医療機関です。高度な医療を提供するとともに、医療従事者の育成にも力を入れています。

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