沖野小百合

沖野 小百合（おきの さゆり、1976年2月5日生）は、日本の女子プロレス界で一時代を築いた人物です。主にLLPW、そして団体名変更後のLLPW-Xを活動の拠点としました。

キャリアの始まり

プロフェッショナルレスラーとしての彼女の歩みは、1996年1月14日に始まりました。LLPWの後楽園ホール大会という大舞台で、大向美智子選手を相手にデビュー戦を飾っています。

ヒールとしての存在感

沖野小百合は、そのキャリアを通じて悪役ユニット「G-MAX」の主要メンバーとして観客の憎悪と歓声を一身に浴びました。また、アイガー選手とは強力なタッグチーム「サキュバス」を結成し、タッグ戦線でもその存在感を示しました。彼女のファイトスタイルは、見る者に強烈な印象を残すものでした。

主な必殺技

研ぎ澄まされた技術から繰り出される必殺技の数々は、多くの対戦相手を苦しめました。その中でも特に知られているのが以下の技です。

みちのくドライバーII
エクスプロイダー
フィッシャーマンズスープレックス
スパイダージャーマンスープレックス

これらの大技を巧みに操り、試合を決定づけました。

リングからの離脱、そして故郷へ

順調にキャリアを重ねていた彼女ですが、2008年10月からは負傷のため、リングから長期にわたり離れることを余儀なくされました。そして、2011年に発生した東日本大震災という未曽有の出来事を契機に、故郷である愛媛へと戻り、家族との生活を選択することを決意します。これを機に、プロレスの第一線からは徐々に距離を置くこととなりました。所属団体がLLPW-Xへと名称を変更した後も、籍は置き続けましたが、積極的に試合に出場することはなくなりました。近年では、地元で焼肉店に勤務している姿が、ファンによって目撃されています。

正式な引退

長らく事実上の活動停止状態が続いていましたが、2023年3月には、遠藤美月選手とともに選手としての契約が終了していたことが公になりました。そして同年9月10日、後楽園ホールで行われた遠藤美月選手の引退興行にて、沖野小百合は公の場に姿を見せます。第一試合では、かつてのコスチュームを身にまとい、竹刀を手にしてアイガー選手と尾崎魔弓選手のセコンドとして登場しました。興行の全日程終了後、遠藤選手とともに再びリングに上がり、ファンや関係者の見守る中でテンカウントを聞き、選手生活に正式に区切りをつけました。

リング上での激しいファイト、そしてヒールとしての確固たる存在感を示した沖野小百合は、多くのファンの記憶に残るプロレスラーとして、そのキャリアを終えました。

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