沙里院市

沙里院市（サリウォンし）について

概要

朝鮮民主主義人民共和国の黄海北道西部に位置する沙里院市は、この道の道都であり、朝鮮半島第二の平野である載寧平野の中央に位置する重要な都市です。面積は58平方キロメートル、1991年時点での人口は約302,679人でした。無煙炭をはじめとする資源が多く、工業都市としても知られています。

地理

黄海北道の西端にある沙里院市は、北と東に鳳山郡があり、南は銀波郡、西には載寧江を挟んで黄海南道の載寧郡が存在します。この都市は、低い山と広大な平野が交互に広がる地形を示し、海抜500メートル以下の地勢が特徴です。

特に北部には漢鉄山（458m）や発陽山（440m）、南部には嵋峨山（125m）といった山々が存在し、市の中心部には景岩山（139m）が位置しています。市域の西側には大同江の支流である載寧江が流れており、また市内には正方川や桑梅川があり、瑞興江からの運河も市域を流れています。中央の景岩山の麓には風光明媚な景岩湖があります。

気候

沙里院市は年平均気温が10.1℃程度で、1月の平均気温は-6.8℃前後、8月のそれは約24.0℃です。降水量は年間で約924.4mmとされ、地域の気候は四季がはっきりしています。

行政区画

市内は31の洞と9つの里で構成され、行政が広がっています。管理が行き届いており、地域の発展に寄与しています。

歴史

沙里院市は、朝鮮王朝時代には鳳山郡の一部であり、京義街道沿いに形成された集落に由来します。元々は沙里という名で知られ、後に公認の旅舎として院名がつけられ、現在の沙里院に至っています。1905年には京義線が開通し、その後の発展が促進されました。また、1910年に郡庁が集落に移転し、1921年には面から邑に昇格しました。1947年には沙里院市が設立され、1954年に黄海北道の道都となりました。

社会

沙里院は現在、工業都市として名を馳せています。主要な産業としては、織物・被服工場をはじめ、総合機械工場や自動車修理、電器、鋳物、セメントなどの製造が行われています。農業も発展しており、特に「勝利ブドウ」の栽培が著名で、地元特産としてジュースやワインの製造も行われています。

教育機関

市内には多くの教育機関が存在し、姜健大学や李桂荀大学、沙里院大学などが代表的です。また高等中学校やその他の教育機関も充実しており、地域の教育レベルの向上に寄与しています。

交通

沙里院市は交通の要衝であり、平壌と開城を結ぶ鉄道や道路が発展しています。平釜線や黄海青年線は、主要な交通手段となっています。さらに、水路を利用した交通も発達しており、周辺都市へのアクセスが容易です。

文化と観光

観光名所としては景岩山や正方山、成仏寺などがあり、市民の憩いの場として親しまれています。特に景岩山の麓に位置する景岩楼は歴史的な建物で、市民公園としても整備されています。正方山城は高麗時代の遺構で、観光客に人気があります。これらの文化資源は、地域の魅力を高めています。

結論

このように、沙里院市は豊富な資源と歴史的背景を持ちつつ、工業都市としての機能を果たしています。今後も地域の発展が注視される都市であります。

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