沭河

沭河（じゅつが）

沭河は、中華人民共和国東部の山東省から江蘇省へと流れる河川であり、淮河流域の主要な河川群である沂沭泗河水系を構成する重要な河川の一つです。古くは沭水と呼ばれていました。

流路

沭河は山東省南部の臨沂市沂水県の沂蒙山の南麓に源を発します。そこから南西方向へと流れ、莒県、莒南県、臨沭県を通過し、郯城県から江蘇省に入ります。その後、新沂市を経て沂河の放水路である新沂河に合流します。新沂河は駱馬湖から東へと流れる河川であり、沭陽県、灌雲県を経て燕尾港から黄海へと注ぎます。沭河は、その流路の大部分において沂河とほぼ平行に流れています。

歴史的変遷

かつて沭河は、さらに南へと流れ、現在の宿遷市で泗水に合流し、さらに現在の淮安市で淮河に合流して黄海へと注いでいました。しかし、12世紀の南宋時代に黄河が決壊し南へと流れ出し、徐州市付近で泗水下流の河道に流れ込むようになりました。これにより、淮河本流を経て黄海へと流れるルートが形成されました。泗水とその支流である沂河・沭河、そして淮河は黄河によって流路を奪われ、湖を形成するなどして滞留し、流路は大きく乱れました。

その結果、沭河には新沭河と老沭河という2つの分流が生じ、それぞれ江蘇省北部を細々と流れ黄海へと注ぐことになりましたが、排水能力は十分ではなく、しばしば洪水を引き起こしました。1855年になって黄河は北の渤海方面へと流れを変えましたが、黄河が両岸に残した大量の黄土による自然堤防のために、泗水も淮河も、そして沭河も古代の流路を取り戻すことはできませんでした。

治水事業

沂沭泗河水系の洪水を抑制するため、1949年に駱馬湖から東の黄海へ一直線に向かう放水路である新沂河が着工され、1953年に完成しました。これにより、洪水は大幅に減少しました。現在、沭河は新沂河を経由して黄海へと流れる流路のほか、臨沭県の南で東方へ分流し、石梁河ダムを経て沙河故道を東へと流れ、連雲港市の臨洪河口から黄海へと注ぐ流路も有しています。

外部リンク

沭河_百度百科
新沂河_百度百科

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