河内村 (石川県)

河内村（かわちむら）とは

石川県南部に位置していた河内村は、豊かな自然に囲まれた石川郡に属する村でした。手取川と直海谷川の合流点に位置し、山々に囲まれた地形が特徴です。金沢市への通勤率は18.9%（平成12年国勢調査）であり、都市部へのアクセスも一定程度ありました。

2005年2月1日、河内村は野々市町を除く石川郡の町村、および松任市と合併し、新たに白山市となりました。この合併により、河内村は歴史の一部となり、その名前は白山市の地名として残されています。

地理

自然地理

河内村は、手取川と直海谷川の合流点に位置し、白山麓旧5ヶ村の中で最も金沢市に近い場所にありました。集落はそれぞれの川岸に点在しており、自然豊かな環境が広がっていました。

山

口三方岳

河川

手取川
直海谷川

湖沼・ダム

手取川第三ダム

隣接する自治体

石川県
石川郡：鶴来町、吉野谷[[村]]、鳥越村
金沢市

歴史

古代から中世

縄文時代の竪穴建物跡が発見されており、この地には原始時代から人が居住していたことがわかっています。1221年の承久の乱後には、結城氏が地頭として福岡に拠点を置き、山奥の120ヶ村を支配しました。しかし、後に結城氏は覇権争いに敗れて東国へ去りました。その際、越中に滞在した集落が福岡に似ていたため、その地を「福岡」と名付け、現在の富山県福岡町（合併して高岡市）の由来となりました。延元年間には、口直海に加賀安国寺が建てられました。

近世

1620年頃には、奥池で銀山が開かれました。鉱石を精錬するために木炭が盛んに作られ、内尾や奥池の原生林が一時焼き尽くされるほどだったと言われています。

現在の地区

河内村は、以下の14の区で構成されていました。

吉岡（よしおか）
江津（ごうづ）
きりの里（きりのさと）
福岡（ふくおか）
ふじが丘（ふじがおか）
口直海（くちのみ）
中直海（なかのみ）
奥池（おくいけ）
久保（くぼ）
吹上（ふきあげ）
板尾（いたお）
金間（きんま）
下折（そそり）
内尾（うつお）

沿革

1889年4月1日：町村制施行により、吉岡村、江津村、福岡村など17の村が合併し、河内村が発足しました。
1906年：吉野谷[[村]]との合併案が検討されましたが、実現には至りませんでした。
1893年：直海谷道路が開設されました。
1911年：福岡発電所（現在の北陸電力福岡第一発電所）が完成しました。この発電所は、県内では2番目に古い発電所です。
1951年：中島、三宮、八幡などの区域が分立し、一ノ宮村が発足しました。その後、一ノ宮村は鶴来町などと合併し、改めて鶴来町となりました。
1975年：手取川第3ダム建設のため、中直海が水没し、廃村となりました。住民は代替地や周辺地域に移住しました。
1976年：河内千丈温泉が開湯しました。
1977年：河内村住民総合センター（現在の白山市役所河内市民サービスセンター）が竣工しました。
1984年：福岡で分譲住宅地「ふじが丘団地」の造成が始まりました。
1987年：金沢セイモアスキー場がオープンしました。
1989年：鶴来、鳥越、吉野谷などとともに白山連峰合衆国を建国しました。
1990年：かわち大橋が完成しましたが、ゴルフ場開発計画は住民の反対により頓挫しました。
1993年：江津にログハウス村（現在のきりの里）が造成されました。
2005年1月16日：白山市への合併に向け、閉村式が行われました。

行政

村長

最後の村長は田中千代人でした。

経済

産業

河内村の産業構造は以下の通りでした。

1次産業：6.0%
2次産業：35.0%
3次産業：58.7%

農業

吉岡、江津、福岡では、比較的平坦な地形と豊富な水を利用して古くから稲作が行われてきました。特に福岡は、近年、石川県の種籾採種地となっています。口直海から内尾にかけての直海谷地区では、かつて焼畑による出作り農業やタバコの栽培が行われていました。

工業

直海谷地区では砕石業が盛んでした。福岡には村内唯一の紡績工場がありました。伝統工芸としては、マタタビの蔓を編む「コツラ細工」があります。後継者育成のため、村の民芸品振興会が講習会を開催していました。地場産業センターに併設された山菜加工センターでは、「半固どうふ」、「平家そば」、「くるみみそ」などが生産販売されていました。

半固どうふ: 木綿豆腐と白峰堅豆腐の中間の固さで、冷奴や湯豆腐、豆腐ステーキなど多様な食べ方が楽しめ、村民や観光客に人気です。近年では河内産大豆100%の製品も作られています。
そば: 山菜加工センターで作られている生麺の「平家そば」と、委託生産の乾麺「河内そば」があります。添付のそばつゆはヤマモリ株式会社製です。

姉妹都市・提携都市

国内

大川[[村]]（高知県土佐郡）

地域

公共機関

警察: 石川県警察鶴来警察署が管轄し、河内駐在所がありました。
消防: 松任石川広域事務組合消防本部が管轄していました。
上水道: 河内村が全域に供給していました。
下[[水道]]: 河内村単独の公共下[[水道]]が接続されていました。
ゴミ処理: 松任石川広域事務組合が、松任市の施設で処理していました。
電話: 金沢市のNTT西日本金沢支店が管轄しており、市外局番は0761でした。
郵便: 河内郵便局がありましたが、集配を行う局はありませんでした。
税務: 松任市の金沢国税局松任税務署が管轄していました。
その他: 石川ウッドセンターがありました。

学校教育

河内村には、小中併設校がありました。

中学校: 河内村立河内中学校がありましたが、白山市誕生後の2013年3月に廃校となり、鳥越中学校と合併しました。
小学校: 河内村立河内小学校がありました。

社会教育

図書館: 河内村立図書館がありました。
文化施設: 河内村保健センター、ノミレイク野鳥観察舎などがありました。
体育施設: 河内トリムパーク、ウッディホールなどがありました。

交通

鉄道

村内には鉄道路線が通っておらず、最寄り駅は北陸鉄道石川線加賀一の宮駅でした。

バス

加賀白山バス（北陸鉄道グループ）
コミュニティバス（村営地域バス）

道路

一般国道: 国道157号
県道: 石川県道181号内尾口直海線、石川県道180号河合江津線

観光

祭り・イベント

河内千丈温泉平安まつり（7月）

名所・旧跡

登録有形文化財：福岡第一発電所
不動滝

保養・休憩施設

白山ろくテーマパーク
うつおキャンプ場
セイモアキャンプ場

スキー場

金沢セイモアスキー場

温泉

河内千丈温泉

参考文献

(参考文献に関する情報があれば追記)

関連項目

石川県の廃止市町村一覧
河内村 (曖昧さ回避)

外部リンク

合併後の住所表記について - 白山市

河内村は、その豊かな自然と歴史の中で人々の暮らしが育まれてきた地域でした。合併によりその名は消えましたが、その歴史と文化は白山市に引き継がれています。

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