河北省 (中華民国)

河北省の概要

河北省は、かつて中華民国に存在した省であり、現在の中華人民共和国河北省にあたります。1928年に直隷省と京兆地方を統合して設置され、北は遼寧省、熱河省、察哈爾省、南は河南省、山東省、西は山西省と接し、東は渤海湾に面しています。河北省の設置は唐代に制定された河北道に由来しています。

管轄区域

河北省は、1928年の設立当初、直隷省及び京兆地方の地域を統合したものでした。しかし、設立の数ヶ月後、いくつかの県が察哈爾省に移管され、河北省の大部分が現在の河北省の領域になりました。1936年には河北省と河南省の行政区画が整理される要請があったものの、いくつかの県の移管は実現しませんでした。

省の面積は約140,235平方キロメートルで、現在の河北省のほぼ全域をカバーします。1928年6月28日に省政府は天津市に設置され、その後北平市に移転しました。

省会の変遷

設置された当初は天津市に省会が置かれましたが、その後数回にわたり移転を余儀なくされました。1930年には省会が再び天津市に戻りましたが、1935年に日本の侵攻によって冀東防共自治政府が成立し、省会は清苑県に移転しました。さらに、盧溝橋事件が発生すると、清苑県は再び日本軍に占拠されることになります。その後、河北省政府は亡命政府へと移行し、1945年には陝西省で再編成されました。

歴代省長と行政区画

河北省の管轄下には多くの県があり、その変遷も多岐にわたります。中華人民共和国成立直前、河北省は多くの県で構成されており、例えば、石門市、天津市、唐山市などが新しい市として設立されました。また、安国県や定県、覚新津県など、古くからの名称が残り続けています。

県級行政区画として、河北省には計50以上の県と市が存在しました。これらの県は、さまざまな時期に統廃合が繰り返されました。特に1937年には日本との戦争が勃発し、河北省の統治権が揺らぐことになります。

行政督察区制度

行政督察制度は、省の施行を監督するための中間機関を設置するもので、中華民国では1932年から実施されました。全省を10の監督区に分割し、多くの県を監督させるものでした。後に17区に改編されましたが、日中戦争の勃発によってその実施は困難なこととなりました。

1945年の日本の敗戦を契機として、再び河北省の行政権が回復され、18の行政督察区が設置されました。この制度は中華民国から中華人民共和国成立まで続きました。

まとめ

河北省は、中華民国時代に多くの歴史的な出来事を経て、多様な行政区画が形成されました。その後の行政の変化や地域のアイデンティティが、この地域の重要な特徴として残っています。河北省はその歴史的な背景を持ちつつ、現在も重要な地域として文化や経済の発展を続けています。

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