察哈爾省

察哈爾省について

察哈爾省（チャハルしょう）は、かつて中華民国に存在した省であり、その名称はモンゴル族の部族名「チャハル」に由来しています。これは塞北四省の一つであり、現在の内モンゴル自治区や北京市、河北省にまたがっている地域です。

管轄区域

この省は、東側で熱河省および遼北省、西側で綏遠省及び山西省、南側で河北省、北側で蒙古地域と接していました。省内は万里の長城を境に察南と察北に分かれていました。

沿革

察哈爾特別区域は、中華民国が成立した当初は清代の行政機関を引き継ぎ、1914年に省級の行政区画として設立されました。最初の察哈爾都督公署は、張北県に設置されました。

1928年には、国民党中央政治会議の決議により察哈爾特別区域が察哈爾省に改編され、11月1日に万全県にて政府が正式に発足しました。初代省政府主席には趙戴文が選ばれました。

1935年末には、日本軍が省域を占領し、1937年から1945年までの間、日本の勢力下に置かれることになりました。この間、デムチュクドンロブを中心とする蒙古聯合自治政府が設立されました。日本の支配に対抗するため、1933年には馮玉祥と吉鴻昌により察哈爾民衆抗日同盟軍が結成されました。

1945年、日本が敗戦を迎えると、中華民国は再び施政権を回復しましたが、国共内戦によって1948年には中国共産党により張家口が解放されることとなり、実効支配権を失ってしまいました。

行政区画

中華人民共和国が成立する直前には、察哈爾省は1市19県を管轄していました。

• - 市: 張家口市
• - 県:

- 蔚県
- 延慶県
- 懐来県
- 康保県: 1922年に康保招墾設治局として成立し、1925年に県制施行。
- 沽源県: 1915年に独石県から改称。
- 尚義県: 1935年に尚義設治局として成立し、1937年に県制施行。
- 商都県: 1915年を起源とし、1918年に県制施行。
- 新明県: 1934年に化徳設治局として設立、1947年に県制施行。
- 崇礼県: 1934年に崇礼設治局として設定され、1937年に県制施行。
- 赤城県
- 宣化県
- 涿鹿県: 1914年に保安県から改称。
- 張北県
- 多倫県
- 万全県
- 宝昌県: 1917年に設立され、1925年に県制施行。
- 陽原県: 1914年に西寧県から改称。
- 竜関県: 1914年に竜門県から改称。

歴代長官

察哈爾省の長官には以下のような人物が歴任しました。

• - 何宗蓮: 1912年10月 - 1915年8月
• - 張懐芝: 1915年8月 - 1916年5月
• - 田中玉: 1916年6月 - 1917年10月
• - 張敬尭: 1917年10月 - 1918年3月
• - 王廷楨: 1919年12月 - 1920年9月
• - 張景恵: 1920年9月 - 1922年5月
• - 譚慶林: 1922年5月（代理）
• - 張錫元: 1922年5月 - 1924年12月
• - 鹿鍾麟: 1926年4月 - 8月

省主席も数名が就任しました。

• - 趙戴文: 1928年10月 - 1928年11月
• - 楊愛源: 1928年11月 - 1931年1月
• - 劉翼飛: 1931年1月 - 1932年8月
• - 宋哲元: 1932年8月 - 1935年6月

このように、察哈爾省は多くの歴史的な出来事を経て、姿を変えてきました。

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