河口城

河口城の概要

河口城（かわぐちじょう）は、日本の歴史的な城で、鳥取県東伯郡湯梨浜町にかつて存在していました。現在は湯梨浜町の指定史跡として残されており、JR山陰本線の泊駅の近くに位置する小山がその遺構として知られています。

歴史的背景

河口城は、伯耆国と因幡国の境界にある戦略的な地点に築かれました。室町時代に河口氏（または山名氏）によって建設され、主にこの地域の警備を担っていました。原則的に山名一族が城を守っていたものの、尼子氏の侵攻により、城は度々奪取と奪還を繰り返しました。

1546年には、武田国信や南条宗勝の攻撃を受けて落城し、元々の城主である河口久氏が再度入城するものの、再び尼子氏の圧力によって追放されました。しかし、1562年に毛利氏によって解放され、再度河口氏が戻ることができました。

天正7年には、南条氏が毛利氏と決別し、河口久氏は毛利方に所属して城の防衛を続けます。しかし、この時期、織田氏による攻撃が激化し、1581年には松井康之指揮のもと城とその周辺が焼き払われ、泊浦の警固船も失われました。1584年には南条領と定められ、その後南条方として機能するも、1600年の南条氏の没落により、河口城は廃城となりました。

構造

河口城は、標高80メートルの丘陵の頂上に位置し、その地勢が城の防御に一役買っていたと考えられています。自然の地形を最大限に活かし、陸上だけでなく日本海の水上交通の監視も任務として持っていたとされています。

主郭の幅は15メートルから26メートル、横幅は60メートルに及び、細長い形状をしています。また、南東部には土塁と堀切が見られ、石積の遺構も確認されています。南側は急崖となっており、この自然の障壁が城の防御力を高めています。

周囲の曲輪は、近世から現代にかけて農地として利用されているため、若干の改変が見られますが、当時の面影を一部残しています。

参考文献

• - 岡村吉彦「中世史料にみる伯耆の城・要害」『鳥取県中世城館分布調査報告書 第2集（伯耆編）』鳥取県教育委員会、2004年
• - 吉田浅雄「伯耆山名一族の城館遺跡」『山名第四号』山名史料調査会、1998年

関連項目

• - 日本の城一覧
• - 河口久氏

外部リンク

• - 河口家の歴史

このように、河口城は戦国時代の動乱の中で数多くの歴史的な変遷を経た独自の魅力を持つ遺跡です。また、戦略的な位置にあったことからも、その重要性が伺えます。

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