河合甚左衛門

河合甚左衛門

河合甚左衛門（かわい じんざえもん）は、天正11年（1583年）に生まれ、寛永11年11月7日（1634年12月26日）に没した、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての武士であり、剣術に秀でた剣客でした。

生涯

甚左衛門は、大和郡山藩において剣術指南役を務め、藩士たちの剣術指導に尽力しました。その剣の腕は非常に高く、多くの藩士から尊敬を集めていました。また、彼は武士としての誇りを重んじ、常に武道に励んでいたと伝えられています。

甚左衛門の親戚には、摂津尼崎藩で槍術指南役を務めていた桜井半兵衛がおり、彼もまた武術に長けた人物でした。また、岡山藩士の河合又五郎は甚左衛門の甥にあたります。

鍵屋の辻の決闘

河合甚左衛門の生涯を語る上で欠かせないのが、寛永11年（1634年）に起こった「鍵屋の辻の決闘」です。この事件は、甥である河合又五郎が発端となっています。

又五郎は、岡山藩主・池田忠雄の小姓であった渡辺源太夫を斬り捨て、江戸へと逃亡しました。その後、又五郎は旗本・阿久和安藤家に匿われていましたが、幕府によって江戸を追放されてしまいます。再び江戸へと向かうことになった又五郎を、桜井半兵衛とともに護衛することになったのが、甚左衛門でした。

しかし、一行が伊賀上野の鍵屋の辻に差し掛かった時、源太夫の兄である渡辺数馬が、仇討ちのために荒木又右衛門とともに待ち構えていました。この時、甚左衛門は馬上から斬りつけられ、命を落とすこととなりました。この決闘は、多くの人々に語り継がれることとなり、その悲劇的な結末は後世にまで伝えられています。

甚左衛門は、剣術家としてだけでなく、武士としての忠義を尽くした人物として、その名を歴史に刻みました。鍵屋の辻での壮絶な最期は、彼の武士としての生き様を象徴する出来事として、今もなお語り継がれています。

この決闘で、河合甚左衛門は甥を守るために命を落としたと考えられ、その武士としての勇敢な行動は、後世に語り継がれることとなりました。

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