河堀稲生神社

河堀稲生神社：悠久の歴史と神々の息吹が感じられる天王寺区の社

大阪市天王寺区大道に位置する河堀稲生神社は、長い歴史と深い信仰に支えられた神社です。その歴史は古く、古代、景行天皇の御代に、この地（かつては昼ヶ丘と呼ばれていました）に稲生の神が祀られたことに始まります。

聖徳太子が四天王寺を建立した際、河堀稲生神社の社殿も造営され、崇峻天皇が合祀されました。その後、四天王寺七宮の一つとして数えられるほどの格式を誇るようになりました。

延暦7年（788年）、摂津大夫・和気清麻呂が提案した大規模な土木事業に際しては、工事の安全祈願の場として重要な役割を果たしました。この事業を境に、周辺地域の地名が「古保礼」から「河堀」へと改称されたという歴史的背景も持ち合わせています。

江戸時代初期には、片桐且元の寄進により、壮麗な権現造の拝殿へと改築されました。さらに、元禄2年（1689年）には素戔嗚尊が勧請、合祀され、神域はより一層充実しました。

明治40年（1907年）には、大阪城内の屋敷の鎮守と伝えられる清水谷の稲荷神社を合祀し、現在の社名「河堀稲生神社」となりました。

しかし、昭和20年（1945年）の大阪大空襲により、江戸時代からの壮麗な社殿は焼失するという大きな被害を受けました。現在の社殿は、昭和25年（1950年）に再建されたものです。

現在祀られている神様は、宇賀魂大神（うかのみたまのおおかみ）、崇峻天皇（すしゅんてんのう）、そして素戔嗚尊（すさのおのみこと）です。それぞれの神々が持つ力強い霊威は、今もなおこの地を護り続けているとされています。

河堀稲生神社は、単なる神社としてだけでなく、地域の信仰の中心として、そして歴史の生き証人として、人々の生活に深く関わってきました。長い歴史の中で幾度となく変化を遂げながらも、神々への信仰と人々の祈りを繋ぎ、未来へと受け継がれていく神社です。

アクセスも良好で、JR大阪環状線寺田町駅から徒歩約5分と便利です。天王寺を訪れた際は、ぜひ河堀稲生神社に立ち寄り、その歴史と静謐な空気を肌で感じてみてください。悠久の歴史と神々の息吹を感じることができる、貴重な場所と言えるでしょう。

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