河川公園

河川公園：河川敷のオアシス

河川公園は、その名の通り、河川の周辺、つまり河川敷に整備された公園です。国による河川環境整備事業や地方自治体の都市公園整備によって誕生するケースが多く見られます。しかし、全ての河川公園が都市計画法に基づく都市公園というわけではありません。地方自治体が河川敷地の占用許可を得て整備した公園も河川公園に分類されます。このような公園では、河川管理者が整備を行い、その後、自治体の公園管理部署に管理が移管されるケースが一般的です。

河川に沿って整備された公園には、リバーサイド公園や緑地、緑道なども含まれますが、これらは管理境界が明確に定められ、それぞれが独立した施設として管理されていることが多いです。河川敷を利用した都市公園の場合は、河川管理施設の一部となるため、兼用工作物として扱われます。一方、緑道公園など、河川敷全体が水路のみを指すケースでは、厳密には河川敷地内に位置していないため、河川公園とは区別されます。

歴史と制度：河川敷の緑化から公園へ

河川敷の緑化利用は、1960年代から本格的に計画され始めました。東京都が建設省に照会したことをきっかけに、都市計画法の手続きを踏めば、都市公園法上の都市公園にも該当するとの回答が得られました。その後、1965年には建設省が河川敷地の占用許可通達を行い、公園、緑地、広場を許可施設の第一に位置づけました。当時、河川審議会の会長を務めていたのは、日本公園緑地協会会長の新居善太郎氏でした。

国営公園にも河川区域に位置する公園が存在します。例えば、木曽三川公園やみちのく杜の湖畔公園などがその例です。

先駆者たちの提唱：河川敷の有効活用

河川敷の公園緑地利用は、古くから提唱されてきました。大正時代には、大屋霊城氏と北村徳太郎氏が共同で、河川敷の有効活用として公園緑地化を提案しています。これらの先駆者たちの提唱が、現在の河川公園整備の礎となっていると言えるでしょう。

まとめ：多様な河川公園

河川公園は、単なる憩いの場としてだけでなく、河川環境の保全や地域社会の活性化にも貢献する重要な役割を担っています。その歴史、法的根拠、管理体制、そして先人たちの取り組みを知ることで、河川公園をより深く理解し、その魅力を再認識することができるでしょう。多様な形態を持つ河川公園は、それぞれの地域特性や歴史的背景を反映しており、今後も人々の生活に潤いを与える存在であり続けるでしょう。

参考文献

公園のはなし　技報堂出版 ISBN 978-4765543750、1993年
河川占用許可準則ハンドブック　ぎょうせい 2000年　ISBN 978-4324062258

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