河村英文

河村英文

河村英文（かわむら ひでふみ、1933年8月30日 - 2005年2月16日）は、大分県出身のプロ野球選手、コーチ、そして解説者です。彼の本名は河村久文（かわむら ひさふみ）で、1953年から63年及び1972年から73年までこの名前を使っていました。彼の著書においても「Hidefumi Kawamura」ではなく「Eibun Kawamura」と表現されています。

来歴

河村は別府緑丘高校で小嶋仁八郎監督の指導を受けました。彼の4年後輩には後にチームメイトとなる稲尾和久がいます。高校卒業後、河村は東洋高圧大牟田でプレーしましたが、1952年のオフに西鉄ライオンズからの勧誘を受けます。当時の西鉄は弱いチームであったことから、最初は入団を躊躇しますが、ベテラン投手が多いことやスター選手の大下弘の存在を理由に入団を決意しました。

1953年、河村は新人の西村貞朗と共に春のキャンプで入団したものの、肩を痛めてしまいます。しかし、その後の二軍戦で復帰すると、9月10日に毎日戦で初勝利を収めました。1954年には川崎徳次のシュートを研究し、投球の幅を広げ、リーグ最多の61試合に登板。最終的にはチームのリーグ優勝に大貢献しました。彼は日本シリーズでも活躍し、そのピッチングは多くの人に印象を残しました。

1955年には21勝を挙げるなど、西鉄ライオンズの主力投手として定着しましたが、その後も日本シリーズにおいて存在感を示し続けました。1960年に広島カープに移籍し、さらに活躍を続けましたが、1963年には選手生活を終えました。

コーチ・解説者としての活動

引退後、河村は西鉄ライオンズを皮切りに様々な球団でコーチを務めました。特に彼のコーチングスタイルは厳格で知られ、選手には容赦ない指導を行いましたが、同時に丁寧に指導も行いました。南海コーチ時代には若手選手にレポートを提出させることで成長を促しました。彼が手掛けた選手たちは、多くが成長を遂げていきました。

また、河村は九州朝日放送の解説者としても活躍し、その解説は時に厳しくも愛情あふれるものでした。多くのアナウンサーたちは彼の辛口なコメントに困惑したこともあったといいます。特に彼は選手たちに野球の本質を教えたかったため、若手アナウンサーに対しても教育的な指導を行い、長年の間にわたり影響を与えました。

人物像と評価

河村はその豪放磊落な性格と、プロ野球界において多くの選手に多大な影響を与えたことから、同時に尊敬される存在でした。彼の指導した選手は、彼の教えに感謝し、彼の投手哲学を今に生かしています。

2005年2月16日、呼吸不全により71歳で亡くなった河村は、野球界に数多くの足跡を残しました。彼の存在は今も多くの人々に語り継がれています。

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