河村藤四郎

河村藤四郎

河村藤四郎（かわむら とうしろう）は、1852年（嘉永5年）に佐賀県で生まれ、1929年（昭和3年）4月に78歳で亡くなった、明治期に活躍した政治家・実業家です。唐津藩士の家に生まれ、藩末期から明治にかけて、唐津の教育、政治、経済の各分野で幅広く活動しました。兄は初代唐津村長の河村如壽、長男は唐津市初代市長の河村嘉一郎です。

生涯

幼少期から青年期

藤四郎は、唐津藩士で奉行職を務めた河村如茂の三男として誕生しました。幼少期には、陽明学者の塾で学び、その後、儒学者の門下に入りました。その学業の優秀さから、若くして藩から食料を与えられたといいます。その後、長崎師範学校で学び、1880年（明治14年）には、明治法律学校（現在の明治大学）に入学し、第1回生となりました。

政界での活動

1882年（明治16年）に帰郷後、佐賀県が長崎県から独立する際に県会議員に選出されましたが、1年足らずで辞職しました。その後、佐賀師範学校の設立に尽力し、開校後は西松浦郡長に任命されました。1890年（明治23年）には、第1回衆議院議員総選挙に立候補しましたが、落選し、政界から身を引くこととなりました。

実業家としての活躍

政界を離れた藤四郎は、実業家としての活動を本格化させます。唐津物産会社を設立し、唐津鉄道（現在の唐津線）の建設や唐津港の整備に尽力しました。また、「唐津新報」を創刊し、唐津銀行の監査役、唐津石炭会社の社長、唐津土地会社の社長、肥前漁業の取締役など、多くの要職を歴任しました。これらの活動を通じて、唐津の近代経済の発展に大きく貢献しました。

晩年

晩年は、城内に隠居所を構え、俗世を離れて詩文に没頭しました。詩文集「蘇禅詩稿」などを残し、1929年（昭和3年）に78歳で生涯を閉じました。

唐津城跡の碑石

唐津城跡には、1926年（大正15年）5月に建てられた碑石があり、その裏面には、唐津城の歴史と、城跡を公園として保存した経緯が記されています。この碑文は、河村藤四郎が撰文し、田辺新之助が書を揮毫したものです。

家族

河村家は、代々唐津藩に仕えた家系であり、以下のような家族構成でした。

曾祖父：河村道有
祖父：河村道伯（御典医）
父：河村如茂（河村右輔）（唐津藩士）
兄：河村如壽（唐津藩士、唐津村初代村長）
* 子：河村嘉一郎（実業家、唐津市初代市長）

まとめ

河村藤四郎は、唐津の発展に貢献した人物として、その名を歴史に刻んでいます。教育者、政治家、実業家としての多彩な活動は、後世に大きな影響を与えました。彼の功績は、唐津の近代化を語る上で欠かせないものとなっています。

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