河津七滝

河津七滝の魅力

河津七滝（かわづななだる）は、静岡県賀茂郡河津町を流れる河津川に位置する、約1.5キロメートルにわたる七つの美しい滝の総称です。この地域は、観光名所として非常に人気があり、伊豆半島ジオパークの重要なジオサイトとしても知られています。

七滝の概要

河津七滝は、約2万5000年前の火山活動に由来しています。伊豆東部火山群の一部である「登り尾南火山」の溶岩流が、この地形を形成しました。特に、七滝のうちの6つの滝は、厚い溶岩が冷却され縮むことで形成された特徴的な柱状節理を持っています。これらの自然の力の結晶は、訪れる人々を魅了してやみません。

それぞれの滝には魅力があり、特に初景滝には川端康成が描く文豪たちの像が設置されており、滝祭りの中心的な会場にもなっています。

各滝の特徴

七つの滝はそれぞれに個性を持ち、個別に名付けられています。以下はその概要です：

• - 大滝（おおだる）

最大の高さを誇り、30メートルの落差を持っています。幅は7メートルで、伊豆半島でも最大級の滝として知られています。

• - 出合滝（であいだる）

2つの流れが合流する場所に位置し、高さ2メートル、幅2メートルの小型ながら美しい滝です。

• - かに滝（かにだる）

高さ2メートル、幅1メートルで、長さは15メートルに及び、かにの形に例えられています。

• - 初景滝（しょけいだる）

高さ10メートル、幅7メートルで、踊り子の像が設置されていることから、特に人気のある滝です。

• - 蛇滝（へびだる）

蛇の鱗のように見える玄武岩が特徴で、高さ3メートル、幅2メートルです。

• - えび滝（えびだる）

海老の尾びれに似ていることから名付けられた滝で、高さ5メートル、幅3メートルです。

• - 釜滝（かまだる）

かつて地獄谷と呼ばれた場所に位置し、77メートルの落差があります。

伝説とその魅力

河津七滝には伝説が伝わっています。それは、「ヤマタノオロチ伝説」に似た大蛇の物語です。昔、天狗の万三郎の妻が見た七つの頭を持つ大蛇について語られます。万三郎が酔わせた蛇を剣で切り落とし、その体が川となり、首が瀑となり、今の河津七滝が形成されたというものです。この伝説は、七滝にロマンをもたらし、訪れる人々を魅了しています。

特異な言語

河津七滝における「滝」の読み方は、一般的には「たき」とされますが、河津町では「だる」と読まれています。これは地域の方言に基づくもので、滝を「水が垂れる」と表現することから、生まれた独自の文化といえるでしょう。

災害と復旧の歴史

しかし、この美しい滝にも過去には試練がありました。2011年には台風15号による災害で、特に大滝が被害を受けました。遊歩道が通行不能になり、観光客がアクセスできない状況が続きましたが、2016年以降、町が整備を進め、2017年にはついにすべての滝を無料で見学できるようになりました。

最後に

河津七滝は、自然の美しさと文化的な価値が融合した特別なスポットです。旅行や観光の際には、ぜひその魅力を直接体感してみてください。

もう一度検索