河辺百枝

河辺百枝（かわべ の ももえ）

河辺百枝は、飛鳥時代の著名な豪族であり、臣の姓を持ち、小錦上および民部卿としての冠位を有していました。彼の出自は、河内国石川郡河野辺に根ざしており、これは現在の大阪府南河内郡千早赤阪村に位置する地域です。『新撰姓氏録』においては、彼は武内宿禰の四世孫にあたる宗我宿禰の後裔として記載されています。彼の一族に関しては、記録に残る数名が対外的な事業に関与しており、特に『日本書紀』には河辺臣瓊缶、河辺臣禰受および河辺臣麻呂といった人物が名を連ねています。

経歴の概要

河辺百枝は、政府の重要な職務を担い、政務において目覚ましい活躍を見せました。『書紀』の記述によると、斉明天皇7年の夏、天皇の崩御後、皇太子である葛城中大兄皇子が素服を着て政務を終始した際、彼を取り巻く政治的な状況は流動的でした。その一環として、百枝は朝倉宮から長津宮への遷幸に伴い、軍事的な動きに参加しました。特に、百済への救援軍に関与し、軍の編成に関わる重要な役割を果たしました。

彼は先陣を切って多数の軍師の中で重要な指導者として名を知られており、具体的には大花下の阿曇比羅夫連と並ぶ小花下の将軍として軍を指揮しました。この救援作戦の結果、数百艘の船を編成し、百済王位を擁立するために派遣されましたが、その後の彼の活動についてはさらに詳しい記録が残されていません。

戦後の活動

663年に発生した白村江の戦いでは、唐と新羅軍が優勢で、百済をいためつける結果となりました。百済の国王である余豊璋は、数名の供とともに高句麗へと逃げました。その後、百済の拠点が降伏するに至り、百枝を含む日本の兵士たちは、百済の民とともに日本への帰還を果たしました。こうした歴史的な戦闘の後、674年に百枝は内小錦上に任命され、さらに677年には民部卿への任命を受けました。

継承と影響

百枝の子孫である河辺臣子首は、681年に筑紫国へ派遣されて新羅の使者である金忠平をもてなした記録があります。また、河辺家はその後も貴族の中で重要な役割を果たし、天武天皇の時代にも注目されました。天武天皇13年には、八色の姓という制度において「朝臣」の称号が授与されました。これにより、河辺氏はさらに貴族としての地位を確立し、古代日本においてその影響力を持ち続けました。

これらの記録から、河辺百枝はただの将軍や政治家という枠を超え、古代日本の外交・軍事活動における重要な人物の一人であったことが明らかです。彼の存在は、当時の政治的な動乱と国際関係に深く関わっていたのです。

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