河辺貞吉

河辺 貞吉の生涯と業績

生誕と教育

河辺貞吉（かわべ ていきち）は1864年6月26日、当時の福岡県に生まれました。彼の生涯は、信仰と教育、そして伝道に捧げられることになります。1880年には大阪で貿易の仕事に従事し、その折に英語を学びました。この時期の経験が彼の後の活動にどのように影響を与えたのかは、興味深いところです。

渡米と信仰の確立

1885年に渡米し、新しい文化や価値観に触れます。2年後の1887年、M・C・ハリスによって信仰に導かれ、サンフランシスコの日本人メソジスト教会で洗礼を受けました。ここから彼の伝道の道が始まることになります。同年、信仰に目覚めた河辺は献身を決意し、メソジスト教会の牧師として新たな一歩を踏み出しました。

ちいさき群の形成

1888年以降、笹尾鉄三郎、秋山由五郎、森永太一郎、松野菊太郎、木田文治といった仲間が河辺と共に「ちいさき群」を結成します。これが、彼にとって教会活動の重要な基盤となる出来事でありました。1894年には「ちいさき群」と共に日本に帰国し、東京の本郷町で共同生活をしながら、伝道活動の準備を進めます。

日本での伝道活動

1895年から1903年にかけて、河辺は自由メソジスト教会の日本伝道の責任者として淡路島で活動します。1903年には、大阪での伝道が始まり、伝道所を設けることになります。この教会が後の日本フリーメソジスト教団日本橋教会に発展していきます。1905年には、自由メソジスト教会が大阪伝道館を設立し、他の地域への伝道活動も広がりを見せます。

大阪リバイバルとその影響

1908年には大阪リバイバルが起こり、この動きは淡路島や岡山にも波及しました。1914年には大規模な伝道活動を行い、翌年には会堂を建設し大阪自由メソジスト教会となります。1923年に開催された日本自由メソジスト第一回年会では、河辺が総務部長に就任し、役割を増やしていきます。

晩年と著作

1932年には日本橋教会の名誉牧師となり、その後も巡回伝道を行います。河辺は、生涯を通じて笹尾鉄三郎と深い友情を築いており、彼が結婚する際には祝福の資金を送りました。彼の著作には『河辺貞吉説教集』（全6巻、1934年-1935年）があり、その教えは今なお多くの人々に影響を与えています。

1953年1月17日、河辺はその生涯を閉じましたが、彼の信仰と献身は今も多くの人に受け継がれています。

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