油小路事件

油小路事件

油小路事件は、幕末の日本において1843年に発生した重要な歴史的事件で、新選組と御陵衛士との間の悲劇的な抗争を引き起こしました。この事件は、新選組の最後の内部抗争として広く知られています。

事件のきっかけ

慶応3年3月10日（1867年4月14日）、新選組を離脱した伊東甲子太郎は、御陵衛士（高台寺党）を設立し、勤王倒幕運動に参加しました。この動きが新選組にとって脅威となり、彼に対する暗殺計画が進められることになります。この背景には、伊東が薩摩藩との関係を持ち、長州藩に対する寛大な処分を主張する建白書を提出したことがあります。これが新選組の隊士たちを激怒させ、油小路事件の引き金となりました。

伊東甲子太郎の暗殺

同年11月18日（12月13日）、新選組の近藤勇は、伊東を一緒に酒を酌み交わすという名目で泥酔させた後、七条の妾宅からの帰路、一群の隊士によって待ち伏せを受けました。伊東は深手を負いながらも「奸賊ばら」と叫びながら戦いましたが、彼の運命は尽きました。この事件には、多くの新選組隊士が関与し、伊東の命を奪ったのです。

御陵衛士の粛清

伊東の死後、新選組はその遺体を放置し、彼の同志たちを待ち伏せて粛清しようとしました。これにより藤堂平助、服部武雄、毛内有之助らが討ち取られる結果となります。現場を目撃した桑名藩士の証言によれば、彼らは40～50名の新選組隊士に囲まれ、最初に藤堂が討たれ、その後も次々と仲間が斬られていきました。

藤堂を救おうとした永倉新八や原田左之助は果たせず、服部武雄は孤軍奮闘を続けましたが、彼も最後には討ち死にしました。この議事により、新選組内の信頼が崩れ、隊士たちの間に不安が広がっていくことになります。

事件の後日譚

事件が収束してから1か月後、篠原ら生き残りの御陵衛士たちは近藤勇を襲撃し、彼に重傷を負わせました。また、伊東らの遺体は放置されていましたが、後に光縁寺に埋葬され、最終的に泉涌寺に改葬されました。この葬儀は非常に盛大で、多くの人々が参加しました。

その後、近藤勇は流山で捕縛され、最終的に斬首されることになります。この事件は、幕末の動乱の中で新選組と御陵衛士の抗争がどれほどの悲劇をもたらしたかを物語っています。

まとめ

油小路事件は、日本の歴史において新選組と御陵衛士との悲劇的な対立を象徴する重要な出来事であり、その影響はその後の維新志士たちにも及ぶほどのものでした。この事件は、新選組の内部分裂とそれに伴う悲劇を引き起こしたのです。

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