泉 (バレエ)

泉（バレエ）

『泉』（仏: La Source）は、フランスの作曲家レオ・ドリーブとレオン・ミンクスの協力によって生み出された全3幕4場のバレエ作品です。1866年11月12日、パリ・オペラ座において世界初演されました。音楽は作曲家間で分担されており、第1幕と第3幕第2場をドリーブが、第2幕と第3幕第1場をミンクスが担当しました。オーストリアのウィーンでは、この作品が『ナイラ、水の精（Naïla, die Quellenfee）』という名称で知られていました。

作品の制作

本作の振付はアルテュール・サン＝レオンが手掛け、台本はシャルル・ニュイッテルが担当しました。初演時の主要な配役としては、作品のタイトルにも関連する泉の精霊ナイラをグリエルミーナ・サルヴィオーニが、主人公ジェミルの恋人となる隊商の娘ヌーレッダをウジェニー・フィオクルが、そして狩人ジェミルをルイ・メラントがそれぞれ演じました。

あらすじ

物語の舞台は神秘的なペルシャです。主人公である勇敢な狩人ジェミルは、聖なる泉に毒を流し込もうとする悪しき企みを阻止します。この勇気ある行動に対する報いとして、泉の守護者である精霊ナイラが現れ、ジェミルとその愛する恋人、隊商の娘ヌーレッダの純粋な恋が成就するように手助けをします。泉の精霊の加護を得て、二人の愛は様々な困難を乗り越えようとします。

その後の上演と改訂

『泉』は初演後、他の劇場でも上演されました。イタリアのスカラ座では、1875年から1876年にかけて、アルテュール・サン＝レオンによるオリジナルの振付を基に、チェーザレ・マルツァゴーラが再振付を行った版が上演されています。

さらに後年、著名な振付家ジョージ・バランシンがこの作品に新たな解釈を加えました。1968年11月23日には、彼による全く新しい振付版がニューヨーク・シティ・バレエ団によって初演されました。この上演では、ヴィオレット・ヴェルディとジョン・プリンツが主要な役を務め、作品に新たな息吹を吹き込みました。これらの異なる時代の再演は、『泉』が持つ魅力と、様々な振付家にとって創作の源となりうる可能性を示しています。

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