泉屋博古館

泉屋博古館の紹介

泉屋博古館は、京都市左京区鹿ヶ谷にある東洋美術を主題とした美術館です。ここでは住友家から寄贈された貴重な中国古代青銅器を中心としたコレクションが保存され、一般にも公開されています。美術館の運営は公益財団法人泉屋博古館によって行われており、東京都港区六本木にある分館「泉屋博古館東京」も、2021年4月からの名称変更で有名です。

設立の背景と歴史

泉屋博古館は、1960年に設立されました。この美術館の名前は、江戸時代の住友家の屋号「泉屋」と、宋時代に皇帝の命で編纂された青銅器図録『博古図録』から付けられました。どの時点からこの名称が使われ始めたかは不明ですが、旧銅器庫が昭和初期に完成した頃から使用されていたことが確認できます。また、2002年には別子銅山開坑300年を記念する形で、東京都六本木に分館が設立されました。

収蔵品の概要

この美術館には、住友家第15代当主である住友吉左衞門が収集した約3500点の多様な美術品が所蔵されています。収蔵品には、国宝2件、重要文化財19件、さらに重要美術品60件が含まれています。主なコレクションとして、中国の殷・周時代の青銅器、日本と中国の銅鏡、さらには明・清時代の中国絵画が挙げられます。また、住友家に伝わる屏風や、洋画なども収蔵されています。

特に、中国古代の青銅器収蔵に関して、1910年に訪れた東洋美術研究家のフリーダ・フィッシャーは、そのコレクションの素晴らしさに圧倒され、世界中の富豪のコレクションをも上回ると評価しました。

主な収蔵品

泉屋博古館の収蔵品の中でも特筆すべきものには、国宝に指定されている「絹本著色秋野牧牛図」があります。これは南宋時代の作品で、筆者が誰かは明確ではないものの、古くから宮廷画家・閻次平の作とされてきました。他にも、「線刻釈迦三尊等鏡像」といった平安時代の铜鏡も収蔵されています。また、多くの重要文化財や重要美術品があり、その中には中国・朝鮮絵画、彫刻、工芸品などが存在します。

建築とアクセス

本館は1960年に設立され、日建設計によって設計されました。延床面積は3865平方メートルに及び、京都の左京区鹿ヶ谷に位置しています。一方、泉屋博古館東京は、2002年に設立され、2022年にはリニューアルオープンを果たし、面積は1740平方メートルとなりました。

美術館へのアクセスは、京都本館では市バス「宮ノ前町」からすぐ、東京館では東京メトロ南北線の六本木一丁目駅から徒歩2分の距離にあります。

泉屋博古館は、その貴重なコレクションを通じて、東洋美術の深い世界を訪れる人々に提供しています。

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