泉山三六
泉山三六の生涯と政治経歴
泉山三六（いずみやま さんろく）は、1896年3月30日に山形県東田川郡大和村で生まれました。生家は豪農の家庭で、父親は太田直右衛門という著名な人物でした。泉山はその後、青森県八戸の資産家泉山家の養子となり、5代目泉山吉兵衛の名を名乗ることになりました。子供の頃は非常にやんちゃで手に負えない子供だったと伝えられています。
彼は第一高等学校を経て、1921年には東京帝国大学法学部の政治学科を卒業しました。その後、三井銀行に入行し、ここで池田成彬の目に留まり、次第に昇進していきました。具体的には、企画部長、帝国銀行秘書役、そして調査役として活躍しました。1947年には帝銀を退職し、同年の衆議院議員選挙に日本自由党の公認で立候補し、初当選を果たします。
初当選からすぐに、1948年10月には第2次吉田内閣の大蔵大臣に就任します。これに関しては、池田成彬や広川弘禅らが彼を推薦したという異なる説明が存在しますが、いずれにせよ、当時の無名な新人が大臣に抜擢されるのは異例のことでした。しかし、その後に起きた「国会キス事件」により、彼は大きなスキャンダルに巻き込まれます。事件の内容は、彼が泥酔状態で衆議院予算委員会に出席し、山下春江議員に抱きついてキスを迫り、拒絶された際に顎に噛みつくというものでした。
この事件は波紋を呼び、野党が一斉に反発、審議を拒否する事態に至ったため、彼は翌日に辞任し、議員辞職を余儀なくされました。このようなトラブルがあったにも関わらず、彼は「大トラ大臣」として知名度が上がり、1950年の第2回参議院議員通常選挙では全国区から立候補し、第7位の得票数で当選を果たしました。これ以降、彼は参議院議員として12年の間、活動を続けました。
1967年春には、叙勲により勲二等旭日重光章を授与されます。1981年には、彼が85歳でこの世を去ると、死没と同時に従三位に叙せられました。
選挙歴
- - 衆議院議員選挙
- - 参議院議員選挙
- 1956年7月8日 - 第4回参議院議員通常選挙（全国区・自由民主党公認・324397票獲得）2期目当選
- 1962年7月1日 - 第6回参議院議員通常選挙（全国区・自由民主党公認・319293票獲得）落選
著書
- - 1953年 - 『トラ大臣になるまで - 余が半生の想ひ出 - 』(東方書院)
泉山三六の人生は、政治の舞台での華やかさと波乱に満ちており、その多くのエピソードは今なお興味を引くものとして残っています。
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