泉智等

泉智等（いずみ ちとう）

泉智等は、嘉永2年1月11日（1849年2月3日）に徳島県吉野川市で生まれ、昭和3年（1928年）9月26日に没した真言宗の僧侶であり、著名な書家でもあります。幼名は直蔵、号は物外と称しました。

生涯

12歳で出家した泉智等は、元治元年（1864年）頃から、徳島の芝にあった秋邨塾で柴秋邨に漢籍を学びました。その後、明治元年（1868年）から明治5年（1872年）にかけて高野山で、明治6年（1873年）から明治10年（1877年）にかけて京都で仏教学を深く学びました。

明治12年（1879年）からは、真言宗の布教師として全国を巡錫し、人々に教えを広めました。明治33年（1900年）には、京都仁和寺の第35世門跡に就任し、その指導力を発揮しました。明治41年（1908年）には、京都泉涌寺の第147代長老となり、寺の運営に尽力しました。

大正3年（1914年）には、真言宗京都中学（現在の洛南高等学校・附属中学校）の校長に就任し、教育者としても貢献しました。大正12年（1923年）には、高野山派管長となり、同年には総本山金剛峯寺の第388世座主にも就任しました。さらに翌年には、真言宗連合総裁という要職に就きました。大正14年（1925年）には、三派合同古義真言宗管長となり、真言宗の発展に大きく寄与しました。また、真言宗京都大学（現在の種智院大学）の総理や、高野山大学の総理も務め、教育界にも多大な貢献をしました。

昭和3年（1928年）9月26日に生涯を閉じましたが、その功績は今もなお称えられています。高野山大師教会本部玄関前には銅像が建てられ、その姿を偲ぶことができます。詩や書にも才能を発揮し、多くの作品を残しました。特に水墨山水画を得意とし、その作品は多くの人々を魅了しました。

泉智等は、真言宗の僧侶として、また書家、教育者として、多岐にわたり活躍し、日本の仏教界、教育界に大きな足跡を残しました。その精神と業績は、後世に語り継がれています。

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