泊村 (北海道根室振興局)

泊村（とまりむら）

泊村は、北海道根室振興局国後郡に属し、国後島の西半分を占める地域です。しかし、2023年現在、北方領土問題により、日本政府の施政権は及んでおらず、法律上のみ存在する村となっています。ここでは、かつて存在した泊村の地理、歴史、産業、文化について詳しく解説します。

地理

泊村は、千島列島の一部であり、国後島の西部に位置していました。根室振興局の管轄下にあり、豊かな自然に囲まれた地域でした。

主な地形:

山: 泊山、羅臼山、円山
河川: ポンタルベツ川、シロマンベツ川、東沸川、精進川
湖沼: ケラムイ湖、一菱内湖、東沸湖、古釜布沼、ニキショロ湖（留夜別村との境界）
岬: ケラムイ崎、ハッチャス崎、羅臼崎、大岬

村内は、泊村、東沸村、米戸賀村、秩苅別村などの地名で構成されていました。

隣接自治体:

根室振興局
国後郡: 留夜別村

歴史

泊村は、1923年に泊村、東沸村、米戸賀村、秩苅別村が合併して成立しました。成立当初は二級町村でした。

1923年: 泊村、東沸村、米戸賀村、秩苅別村が合併し、二級町村として成立。
1931年8月23日: 東沸のアンノロ沼にリンドバーグ夫妻の機体が不時着。濃霧のため根室へ向かうことができず、国後島まで引き返した。

行政

以下は、歴代村長の一覧です。

1923年04月01日 - ：渡邊正綱
1927年10月15日 - ：高橋伊太郎
1930年06月17日 - ：廣瀬圓蔵
1933年04月17日 - ：大澤敏雄
1944年11月22日 - ：村上茂（ - 1946年04月13日）

経済

産業

泊村の主要産業は、漁業と林業でした。缶詰工場や製材工場が村内に点在していました。

缶詰工場: 作万別、キナシリ、古釜布、カクマベツ、ウエンナイ、中ノ古丹、ゼンベコタン、オショウスなど
製材工場: 東沸、秩苅別
鉱業: 日本鉱業茂世路鉱業

郵便局

村には郵便局が設置され、地域住民の生活を支えていました。

公共機関

警察、裁判所派出所、営林区署、水産物検査所派出所などの公共機関がありました。

警察: 国後警察署
その他: 根室裁判所派出所、国後営林区署、道水産物検査所派出所

地域

人口

留夜別村村勢要覧（1945年は推定世帯数・人口）によれば、当時の人口はそれなりに多かったことが伺えます。

教育

村内には多くの小学校が設置されていました。

国後小学校
瀬石小学校
古釜布小学校
古丹消小学校
東沸小学校
秩苅別小学校
作喜小学校
中ノ古丹小学校

交通

道路

準地方費道84号根室乳呑路線が主要道路でした。

官設駅逓

ニオイ、東沸、古丹消、中ノ古丹、秩苅別、仁木城に官設駅逓がありました。

船舶

船舶が交通手段として利用されていました。

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

泊村には、豊かな自然や温泉、寺社などの名所・旧跡がありました。

材木岩
古丹消温泉
瀬石温泉

寺社

国後神社
作喜神社
中ノ古丹神社
東沸神社
セイカラホール神社
ケムライ神社
浄土真宗本願寺派西向寺
日蓮宗東沸説教所
曹洞宗松泉寺 （泊村東通）
曹洞宗作喜説教所
曹洞宗瀬石説教所
曹洞宗古釜布説教所
真宗大谷派古釜布説教所

出身者

猪谷千春（スキー選手）
すまけい（俳優）
佐野力三（元別海町長）

参考文献

根室・千島歴史人名事典編集委員会 編『根室・千島歴史人名事典』根室・千島歴史人名事典刊行会、2002年。 
日本歴史地名大系 I 「北海道の地名」（平凡社）p.1579-1586
角川日本地名大辞典 北海道 p.1336-1337

外部リンク

* 公益社団法人 千島歯舞諸島居住者連盟

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