法台寺

法台寺（ほうだいじ）

法台寺は埼玉県新座市にある歴史ある寺院で、宗派が時宗から浄土宗へと変遷してきた重要な場所です。この寺院の名前の由来である「道場」という地名は、法台寺に深く根ざしています。

歴史

法台寺の建設は、文永3年（1266年）にさかのぼります。この寺は、源実朝の妻である久米御前の菩提を弔う目的で、将軍宗尊親王の命により設立されました。その後、他阿真教が遊行の途中でこの寺を訪れたことをきっかけに、法台寺は時宗の道場となったのです。当時、法台寺は無量光寺を本寺とする時宗当麻派に属し、無量光寺の6世と13世である他阿上人がこの寺の出身でした。これにより、当寺には他阿真教の木像や時宗の特色を持つ多数の板碑が現存しています。

浄土宗の中興の祖である観智国師慈昌存応もまた、法台寺において修行し、僧としての道を歩み始めました。彼は最終的に増上寺に入り、徳川家康からの厚い信任を受けることになります。この過程で、法台寺は宝台寺から法台寺へと名前を変更し、宗派も時宗から浄土宗へと改められました。存応は生前に幾つかの木像を造らせ、その中には現在も保管されているものがあります。

しかし、法台寺は明治20年（1887年）に大火災に見舞われ、全ての伽藍が焼失してしまいました。火災後には仮の本堂が設けられましたが、1998年（平成元年）には現存する本堂が完成し、今に至ります。

文化財

法台寺は、数多くの文化財を擁しています。特に県指定文化財である板石塔婆群は、コンクリート製の覆屋の中に保護されて展示されています。そのほかにも、他阿真教上人の坐像や観智国師の坐像、阿弥陀如来の立像、観音・勢至菩薩の立像があり、これらはそれぞれ市で指定された文化財となっています。また、久米御前宝篋印塔も重要な文化財の一つです。

交通アクセス

法台寺へのアクセスは、西武鉄道のひばりヶ丘駅や大泉学園駅、また東武鉄道の朝霞台駅や志木駅から西武バスの路線を利用し、片山小学校バス停で下車することで簡単に訪れることができます。その後は徒歩でわずかな距離を歩くことになります。

おわりに

法台寺は、地域の歴史や文化、そして宗教の中心地としての役割を果たしてきました。その長い歴史の中で多くの信者や訪問者に愛されてきた寺院は、現在でも訪れる人々に静寂と癒しを提供しています。ぜひ新座市を訪れた際には、この歴史的なスポットを訪れその雰囲気を味わってみてください。

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