法性寺 (埼玉県小鹿野町)

法性寺（ほうしょうじ）

法性寺は埼玉県秩父郡小鹿野町に存在する曹洞宗の寺院で、山号を般若山と称します。その本尊は「おん あろりきゃ そわか」という真言を持つ観音菩薩で、傍らにはご詠歌として「願わくは般若の舟にのりをえむ いかなる罪も浮かぶとぞきく」があります。

歴史

法性寺の歴史は奈良時代に遡ります。開山者である行基がこの地で観音菩薩像を彫り、岩場に安置したことが寺の始まりとされています。この観音菩薩像は信仰の対象となり、地域の人々に厚く崇敬されました。さらに、延暦年間（782年 - 806年）には弘法大師空海が訪れ、大般若経600巻を奉納したとされています。これにより、法性寺は密教系の宗派として発展を遂げました。

13世紀の貞永元年（1232年）には、眼応玄察が中興を果たしたことで、法性寺の歴史は古文献によって明確化します。その後、時代が進むにつれ江戸時代において智外宗察が再中興し、曹洞宗に転宗しました。これは法性寺の歴史において大きな転機となったのです。

本堂から100メートルほど進んだところには観音堂があり、更に奥には奥の院があります。奥の院へ行くには、鎖場を通る必要があり、軽い登山を覚悟する必要があります。登山を楽しむ際には、十分な装備と体力を整えてから臨むとよいでしょう。

文化財

法性寺は多くの文化財を有しています。

• - 長享二年秩父札所番付 （埼玉県指定有形文化財、昭和34年3月20日指定）
• - 木造聖観音立像 （小鹿野町指定有形文化財、昭和34年8月24日指定）
• - 木造蔵王権現像 （小鹿野町指定有形文化財、昭和34年8月24日指定）
• - 法性寺観音堂 （小鹿野町指定有形文化財、平成11年11月24日指定）
• - 大般若経 （小鹿野町指定有形文化財、平成11年11月24日指定）
• - 札所三十二番般若山法性寺 （小鹿野町指定史跡、昭和37年9月20日指定）

これらの文化財は法性寺の歴史的価値を物語っており、訪れる者に深い印象を与えます。

交通アクセス

法性寺にアクセスするには、皆野大塚ICから車で約19分、または西武秩父駅から小鹿野町営バスで「長若中学校前」で下車し、徒歩約30分（約2km）で到着します。

さらに、西武秩父駅または秩父駅からは西武観光バスで「小鹿野車庫・栗尾ゆき」に乗り、「三島」で下車後、徒歩約42分（約3km）の峠道を進むか、「松井田」で下車して徒歩約1時間（約4km）で辿り着けます。

前後の札所

法性寺は秩父札所の一つであり、前後の札所とのアクセスは以下の通りです。

• - 31 観音院 （12km：大日峠経由） 32 法性寺 (7.5km：松井田経由) 33 菊水寺

法性寺は歴史や文化財が息づく場所であり、訪れる価値あるスポットです。心静かに過ごし、深い歴史に触れてみてはいかがでしょうか。

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