法政大学第三中・高等学校

法政大学第三中学校・高等学校について

法政大学第三中学校・高等学校は、かつて茨城県石岡市半ノ木に所在した私立中学校・高等学校です。その歴史は、戦前の航空機訓練施設にまで遡ります。

前史：航空機訓練所から専門学校へ

本校の前身は、昭和16年（1941年）6月7日に財団法人大日本飛行協会によって開設された大日本飛行協会中央滑空訓練所です。当時の社会情勢を反映し、航空兵を養成する目的で設立されました。その後、昭和19年（1944年）には専門学校令に基づき、大日本滑空工業専門学校へと改組されました。しかし、終戦により状況は一変。昭和20年（1945年）10月には筑波工業専門学校と改称し、設置者も筑波学園に変更。軍関係者を除いた新たなスタートを切ることとなりました。翌年には、旧制の筑波中学校も併設されました。

しかし、学校の立地条件の悪さや、終戦直後の物資不足による施設の不備、生徒の確保難などから、筑波学園の経営は悪化。一方、東京の法政大学は戦災で校舎確保に苦慮していました。そこで、両学園の理事を務めていた中野勝義の提案により、両者が合併することになりました。昭和23年（1948年）3月、財団法人筑波学園が財団法人法政大学に吸収合併されると、石岡の校地には法政大学予科石岡分校（昭和24年（1949年）に教養部石岡分校に改組）が設置されました。筑波工専は在学生を法政工業専門学校（現在の法政大学理工学部）に転籍させ、昭和24年（1949年）3月をもって廃校となりました。

法政大学第三中学校・高等学校の設立と閉校

筑波工専廃止後、残された旧制筑波中学校は、学制改革により昭和23年（1948年）に法政大学第三中学校（新制）に、翌昭和24年（1949年）には法政大学第三高等学校（新制）へと移行しました。しかし、筑波学園時代から続く立地の悪さから、生徒の確保が困難な状況は変わらず、昭和25年度（1950年度）に教養部石岡分校が川崎市の木月本校に統合されると、第三中・高も昭和27年度（1952年度）より生徒募集を停止。昭和30年（1955年）3月に最後の卒業生を送り出し、その歴史に幕を閉じました。

その後

学校の跡地は、法政大学石岡総合運動場（石岡総合体育施設）として活用され、学生たちの合宿などに利用されていましたが、2023年5月末をもって閉鎖されました。

校長

駒林栄太郎（1949年度 - 1952年度）
錦織理一郎（事務取扱、1953年度 - 廃止）

参考文献

法政大学戦後五〇年史編纂委員会『法政大学と戦後五〇年』法政大学、2004年（a）
法政大学戦後五〇年史編纂委員会『法政大学と戦後五〇年 別冊』法政大学、2004年（b）

関連項目

旧制専門学校
旧制中学校
茨城県中学校の廃校一覧
茨城県高等学校の廃校一覧

外部リンク

石岡総合体育施設の歴史：法政を知る：HOSEI ONLINE

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