法深法親王

法深法親王（ほうしんほっしんのう）は、南北朝時代から室町時代にかけての激動の時代を生きた皇族であり、木寺宮の第五代当主として知られています。師煕親王、静覚法親王とも呼ばれました。

生涯

法深法親王は、木寺宮邦康親王の王子として生まれました。木寺宮は、大覚寺統の後二条天皇の血統を受け継ぐ宮家でした。当時の皇室は、後深草天皇を祖とする持明院統と、亀山天皇を祖とする大覚寺統に分かれており、皇位継承を巡って対立していました。

明徳の和約により、持明院統から天皇が輩出され続けることとなり、さらに大覚寺統の中でも後二条天皇の弟である後醍醐天皇の皇統から天皇が出ることになったため、後二条天皇を祖とする木寺宮の存在意義は薄れていきました。そのため、3代・4代当主である邦恒王と世平王は、親王宣下を受けることができませんでした。

しかし、称光天皇が皇子を設けることなく重篤に陥り、後光厳流が断絶する可能性が出てきたためか、法深法親王は特別に後花園天皇の猶子となり、享徳2年（1453年）12月18日に親王宣下を受けました。その後、仁和寺に入り、同年12月21日に出家しました。しかし、子をもうけることがなかったため、法深法親王の薨去と同時に木寺宮は断絶することが確定しました。親王宣下を受けてから出家したため、正確には入道親王となります。

系譜

後二条天皇 - 邦良親王 - 康仁親王 - 邦恒王 - 世平王 - 邦康親王 - 師煕親王（法深法親王）

法深法親王の生涯は、皇室の複雑な権力構造と、それに翻弄される宮家の姿を浮き彫りにしています。彼の存在は、南北朝時代から室町時代にかけての皇室の歴史を理解する上で、重要な要素の一つと言えるでしょう。

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