法輪寺 (大田原市)

栃木県大田原市の歴史ある寺院：法輪寺

法輪寺は、栃木県大田原市に佇む天台宗の寺院です。正式には「光丸山並びに正覚山実相院法輪寺」と称され、その境内は大きく「光丸山」と「正覚山」の二つのエリアに分かれています。それぞれのエリアには異なる本尊が祀られており、独特の寺院構成となっています。

「正覚山」は法輪寺の核心部と言えるエリアで、釈迦三尊を本尊として祀っています。一方、「光丸山」エリアの中心には大日堂があり、大日如来が祀られています。寺院全体の総称は「光丸山法輪寺」として知られており、公式サイトでもこの名称が用いられています。

歴史と伝承

法輪寺の創建は860年（貞観2年）に遡ると伝えられています。天台宗の開祖である慈覚大師円仁が開山したとされていますが、創建年代や開山者については諸説あるようです。

伝承によれば、円仁が諸国巡錫の旅の途中でこの地を訪れた際、霊夢の中で釈迦如来と大日如来の両像を感得し、その霊験をたたえて寺院を創建したとされています。その後、1636年（寛永13年）には弁海によって中興が図られ、現在に至っています。

興味深いことに、11月3日に行われる本祭では神輿の渡御が行われます。これは寺院としては珍しい例で、古くから続く神仏習合の伝統が現在も息づいていることを示しています。

貴重な文化財

法輪寺には、数多くの貴重な文化財が保存されています。その中には、栃木県指定有形文化財に指定されているものが複数あります。

紙本著色釈迦涅槃図（昭和48年1月30日指定）
紺紙金泥大般若波羅密多経（昭和48年1月30日指定）
板絵墨画虎図（昭和48年1月30日指定）
板絵著色四霊の図（昭和48年1月30日指定）

さらに、大田原市指定有形文化財にも、

勅額門（昭和41年2月15日指定）
大天狗面（昭和41年2月15日指定）

そして、大田原市指定天然記念物にも、

西行桜（昭和41年2月15日指定）

が指定されています。これらの文化財は、法輪寺の長い歴史と文化を物語る貴重な遺産と言えるでしょう。

アクセス

法輪寺へのアクセスは、路線バスを利用するのが便利です。佐良土停留所から徒歩4分の距離にあります。静かな山里に佇む古刹を、ぜひ訪れてみてください。

参考文献

栃木県歴史散歩編集委員会 編『栃木県の歴史散歩（歴史散歩9）』山川出版社、2007年

外部リンク

* 光丸山法輪寺

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