法運寺 (中野市)

法運寺

法運寺は、長野県中野市中央に位置する浄土宗の寺院で、小石山を山号とし、龍泉院を院号とします。京都の知恩院を本山としています。

概要

法運寺は、1551年（天文20年）に円蓮社光誉上人竜公大和尚によって開山されました。竜公大和尚は、鎌倉の光明寺然与の弟子であり、長沼城主の島津忠直が寺の開基となり、25石を寄進しました。1870年（明治3年）には中野騒動が発生し、中野県庁が焼失した際、法運寺が仮庁舎として使用されました。1979年（昭和54年）には、中野騒動の殉難者を慰霊するため、境内に聖観世音菩薩像が建立されました。

本尊は、竜公大和尚が鎌倉から供奉した阿弥陀如来です。本尊の左手には法然上人像と竜公像、右手には善導大師像が安置されています。

山門

法運寺の山門は、切妻、桟瓦葺きの八脚単層門で、桁行3間、張間2間の構造です。

本堂

本堂は木造平屋建て、寄棟、鉄板葺きの平入で、正面に1間唐破風向拝がついています。外壁は真壁造で白漆喰仕上げが施されており、唐破風懸魚には鳳凰、向拝欄間部には龍、木鼻には獅子の精緻な彫刻が施されています。内部の内陣には、本尊である釈迦如来像が安置されています。

歴史

法運寺は、1551年（天文20年）に円蓮社光誉上人竜公大和尚によって中野市更科に開山され、後に中野市中央に移され、小石山竜泉院法運寺となりました。1578年（天正6年）には夜間瀬川の氾濫により寺が流失しましたが、1582年（天正11年）に本堂と庫裡が再建されました。1600年（慶長5年）には末寺である小林山光念寺が小田中に創立され、1684年（貞享）には梵鐘が鋳造されました。その後も、1717年（享保2年）に本堂が改築され、1830年（文政13年）から1843年（天保13年）にかけてお堂の修繕、仁王門の改築、庭（竜泉庭）の改築が行われました。1934年（昭和9年）からは、二十八世正道和尚によって本堂、庫裡、仁王門、諸舎、塀、垣根の改築が行われ、1939年（昭和14年）には竜泉庭の改造が着工されました。

境内

法運寺の境内には、以下の建物や施設があります。

本堂
庫裡
仁王門
鐘楼
教蔵
衆寮
県官大塚正徳の碑

歴代住職

法運寺の歴代住職は以下の通りです。

二十八世 - 正道和尚
二十九世 - 竹内興道

参考文献

信濃の寺刊行会「法運寺」『信濃の寺』信濃の寺刊行会、1970年2月15日、80-83頁。
『信州の文化シリーズ 寺と神社』 信濃毎日新聞社、1981年
『探訪 信州の古寺 浄土教・日蓮宗』 郷土出版社、1996年

関連項目

* 長野県庁舎

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