泗水駅

泗水駅の歴史と特徴

泗水駅（しすいえき）は、かつて熊本県菊池郡泗水町に位置していた熊本電気鉄道の駅であり、現在は廃駅となっています。この駅は1955年3月10日に新たに開業し、富駅から移転して設置されました。開業と同時に地域の中心駅として重要な役割を果たし、その後も多くの利用者に支持されました。しかし、1977年には貨物の取り扱いを停止し、1896年には御代志駅から菊池駅間の廃線に伴い、泗水駅も廃駅となりました。

駅の構造と利用状況

泗水駅は地上駅であり、ホームは3面4線（そのうち1面は貨物ホーム）を有していました。開業当初は木造駅舎が利用されていましたが、後の時代にはショッピングセンターと連携した建物が併設されていました。駅は有人で運営されており、広い構内には側線も存在し、折り返し運転を行う列車も設定されていました。駅には夜間停泊のための車両留置も行われており、また全盛期には貨物列車も盛況でした。廃止されるまでの間、駅舎内には多くの活気がありましたが、廃止後はモハ102、モハ121、モハ201といった車両が留置されたものの、状態は明らかに悪化していきました。

駅周辺の施設

駅周辺には道の駅泗水や孔子公園など、多くの公共施設がありました。泗水総合支所や泗水郵便局、さらには菊池市立泗水幼稚園、小学校、中学校、図書館などが立地し、地域のコミュニティの中心としての役割を担っていました。また、岸病院も近隣にあって、訪れる人々の利便性を向上させていました。さらに、電鉄バス「富」バス停も近くに位置し、当駅から菊池市中心部へのアクセスが容易でした。

廃止後の状況

2021年10月時点で、かつての泗水駅舎はスーパーマーケット「黒潮市場泗水店」に併設されていた屋上駐車場スロープ下に存在していましたが、2022年2月にはその施設が取り壊され、新たにディスカウントドラッグコスモス泗水店が建設されました。また、駅構内は泗水町立孔子公園に利用されており、1998年からは道の駅泗水内の施設としても機能しています。この公園内ではかつて運用されていた「モハ102」と「モハ203」が売店や厨房として一時使用されていましたが、現在は公園のステージ広場として整備されています。

隣の駅と鉄道の廃止

泗水駅の隣には熊本電気鉄道の高江駅と富の原駅がありましたが、いずれも廃止されたため、現在では過去の栄光が思い出されるばかりです。地域の人々にとって、この駅は鉄道利用の歴史を語る大切な存在であり、今後もその記憶は地域の文化として受け継がれていくことでしょう。

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