泗沘

泗沘（サビ）

泗沘は、古代朝鮮の百済の都として、538年から660年の百済滅亡まで機能しました。現在の韓国、忠清南道扶餘郡にあたります。

歴史

百済は、26代聖王の時代、538年にそれまでの首都であった熊津（現在の公州市）から泗沘へと遷都しました。これにより、泗沘は百済の政治・文化の中心地として繁栄を遂げました。

『三国史記』百済本紀には、泗沘は「所夫里（ソプリ）」という別名でも記録されています。一方、『三国史記』新羅本紀や地理志では、所夫里と泗沘の表記が混在しており、所夫里がより古くからの呼称である可能性を示唆しています。この「所夫里」という名称は、「都」を意味する朝鮮語の「서울（ソウル）」の語源となったという説もあります。

新羅による朝鮮半島統一後、泗沘は新羅の景徳王の時代に扶餘郡と改称されました。

地理

泗沘は、現在の扶餘郡一帯に位置し、錦江（クムガン）の流域に開けた肥沃な土地にあります。この地の地形は、都を築くのに適していたと考えられます。

遺跡

泗沘のあった場所には、現在も百済時代の遺跡が残っています。扶餘官北里百済遺跡（泗沘城址）は、その代表的なものであり、当時の泗沘の姿を今に伝えています。

まとめ

泗沘は、百済の歴史において重要な役割を果たした都であり、その名は現代にまで語り継がれています。百済の文化や歴史を理解する上で、泗沘は欠かすことのできない存在です。

参考資料

『三国史記』百済本紀・聖王16年春条、新羅本紀・武烈王7年7月12日条、9月3日条、地理志・熊州扶餘郡条、地理志・百済条
『三国遺事』王暦・聖王戊午年条

外部リンク

* 扶余官北里百済遺蹟(泗沘城址) 韓国旅行コネスト

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