波乃久里子

波乃 久里子 (なみの くりこ)

1945年12月1日、歌舞伎役者の家系に生まれた波乃久里子は、日本の舞台およびテレビ界で、長年にわたり活躍し続ける実力派女優です。彼女は神奈川県鎌倉市に生まれ、東京都で育ちました。教育を家政学園で受けた後、1961年に劇団新派に参加し、その後のキャリアを築いていきます。

初舞台と劇団新派での活動

波乃は1950年、東京劇場で行われた「十七世中村勘三郎襲名披露初春大歌舞伎」で初舞台を踏みました。その後、劇団新派に参加し、1962年に正式に入団。1968年4月には六世・猿若明石を襲名し、全国各地の舞台で演技を披露していきます。特に新橋演舞場や明治座、京都南座などの名劇場での活動は多岐にわたります。加えて、テレビドラマでも数多くの作品に出演し、石井ふく子プロデュースの作品では重要な役割を担っています。

受賞歴と公的活動

その演技力が評価され、2011年には紫綬褒章、2016年には旭日小綬章を受章しました。特に2019年には、天皇陛下御在位三十年記念式典で朗読を行い、その特別な場においても存在感を示しました。

プライベートと家族背景

波乃久里子の名前は、両親が疎開先の久里浜から名付けられたとされ、父親は歌舞伎界の重鎮、十七代目中村勘三郎です。また、弟も歌舞伎役者で、彼との親しみのある関係が伺えます。家庭ではおおらかに育てられたものの、母は非常に厳格で、彼女の舞台に対しても厳しい意見を持っていたそうです。家庭内の穏やかな日常と厳しい舞台での緊張感、双方を体験しながら成長しました。

趣味とライフスタイル

波乃は掃除や整理整頓が得意で、整然とした生活を心掛けています。その影響からか、外出時には紙袋を持つことが多く、独自のスタイルを持っています。また、家でも楽屋でも自由なスタイルで過ごすことにこだわりがあり、10代の頃から全裸で暮らしたとも言われています。このような独特のライフスタイルが彼女の人柄を一層魅力的にしています。

代表的な出演作品

彼女のキャリアでは、数え切れない程の舞台とテレビドラマに出演しています。代表作には「鬼平犯科帳」や「水戸黄門」、「春よ、来い」などがあり、いずれも日本のテレビドラマの歴史に名を刻んでいます。また、映画界でも「吾輩は猫である」や「わたしのグランパ」などの作品で活躍しています。

結び

波乃久里子は、歌舞伎に根付いた演技力と多彩な表現力で、日本のエンターテインメント界に大きな足跡を残している女優です。これからの活動も楽しみにしたい存在です。

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